デザイナーがサイト改善で最初に見るポイント

見た目を整える前に、まず確認したい「伝わる設計」

サイト改善というと、色やレイアウト、動きなど、どうしても見た目の話から考えられがちです。けれど、デザイナーが最初に見るポイントは、必ずしも表面的なデザインだけではありません。

私が最初に確認するのは、このサイトが、訪れた人にとってわかりやすく、必要な情報がきちんと伝わる状態になっているかということです。

どれだけきれいなデザインでも、欲しい情報にたどり着きにくかったり、大事な内容が埋もれていたりすると、サイトとしての役割は十分に果たせません。だからこそ、サイト改善では見た目を整える前に、まず情報設計や伝わり方の設計を見ることが大切だと思っています。

まず見るのは、誰に何を伝えるサイトなのかがすぐにわかるか

サイトを開いた瞬間、ユーザーは無意識のうちにいくつかのことを判断しています。

「これは何のサイトなのか」
「自分に関係ある内容なのか」
「この会社は信頼できそうか」

こうした第一印象は、数秒のうちに決まることも少なくありません。そのため、私はまず最初の画面で、このサイトが誰に向けて、何を伝えたいのかが明確に見えるかを確認します。

たとえば、第一画像がきれいでも、そこで伝えるべき内容が曖昧なら、ユーザーはその先を読む前に迷ってしまいます。キャッチコピー、見出し、写真、ボタンの配置などがバラバラだと、何を強みとして見せたいのかがぼやけてしまうからです。

サイト改善では、見た目の印象だけでなく、最初の数秒で要点が伝わるかがとても重要です。

情報設計で見るのは、欲しい情報に最短距離でたどり着けるか

次に見るのは、情報設計の部分です。ここは、サイト改善の中でも特に重要だと感じています。

サイトに訪れる人は、それぞれ目的を持っています。サービス内容を知りたい人もいれば、料金を見たい人、会社概要を確認したい人、問い合わせをしたい人もいます。そのときに大事なのは、欲しい情報に迷わずたどり着けることです。

私がここでよく見るのは、次のような点です。

  • 必要な情報への導線がわかりやすいか
  • 重要な情報や伝えたいことが埋もれていないか
  • サイトを直感的に周遊できる構造になっているか
  • 見る人に認知負荷をかけすぎていないか
  • 情報の優先順位が適切に整理されているか

端的に言えば、ターゲットに伝えたい情報が、きちんと伝わる構造になっているかを見ています。

企業側はどうしても「あれも伝えたい、これも載せたい」となりがちです。ですが、情報量が多いことと、情報が伝わることは別です。むしろ、整理されていない情報は、ユーザーにとって“読みにくさ”や“わかりにくさ”につながります。だからこそ、サイト改善では、何を追加するかより先に、何をどの順番で見せるべきかを整理することが大切です。

デザインを見るときも、「おしゃれかどうか」だけでは判断しない

もちろん、デザインそのものも大事です。ただし、ここで私が見るのは、単に「今っぽいか」「きれいか」だけではありません。

重視しているのは、クライアント様の持つブランドイメージと、サイトのデザインにズレがないかという点です。

たとえば、信頼感や誠実さを伝えたい会社なのに、軽く見えるデザインになっていないか。高級感を出したいブランドなのに、安っぽく見えていないか。親しみやすさを出したいのに、逆に無機質で冷たい印象になっていないか。

こうしたズレは、言葉で説明されなくても、ユーザーは感覚的に受け取っています。第一画像、色の使い方、余白、文字組み、写真の選び方、あしらいの強さ。そうした細かな要素が積み重なって、サイト全体の印象をつくっています。

最近は整ったテンプレートや参考デザインも多く、見た目をきれいに整えること自体は以前よりしやすくなっています。それでも、本当に大事なのは、その会社らしさが、見た目にきちんと表れているかです。

サイト改善では、新しさを追うこと以上に、ブランドの空気感や価値観が正しく伝わっているかを確認する必要があると思います。

サイト改善は、見た目を変えることではなく、伝わり方を整えること

ここまでの話をまとめると、デザイナーがサイト改善で最初に見るポイントは、見た目の華やかさではありません。

  • 誰に何を伝えるサイトなのかが明確か
  • 欲しい情報に最短距離でたどり着けるか
  • 情報の優先順位が整理されているか
  • ブランドイメージとデザインにズレがないか

こうした伝わるための土台が整っているかを、まず確認します。

どれだけ見た目を整えても、構造や導線、情報の見せ方に問題が残っていれば、ユーザーは迷います。反対に、情報設計とブランドの方向性が揃っていれば、過度な演出がなくても、伝わるサイトになります。

つまり、デザインは単なる装飾ではなく、情報設計とブランド理解を形にするものだと私は考えています。

LLMOを考えるうえでも、最初に見るべきポイントは変わらない

最近はLLMOを意識してサイト改善を考える場面も増えてきました。ただ、LLMOを意識するといっても、特別なことを最初に始めるというより、むしろ基本に立ち返ることが大切だと感じています。

LLMOでも重要なのは、情報が整理されていて、構造がわかりやすく、ページごとの役割が明確であることです。

何について書かれているページなのか。
誰に向けた情報なのか。
どの情報が重要で、どういう順番で読むべきなのか。
そうしたことが曖昧なサイトは、人にとってもAIにとっても理解しづらくなります。

逆に、情報設計が整理され、見出しや導線が明確で、ユーザーにとって理解しやすいサイトは、結果としてLLMOの観点でも強くなりやすいと考えています。

その意味でも、サイト改善で最初に確認すべきことは変わりません。伝えたい情報が、相手にきちんと伝わる形になっているか。ここを丁寧に整えることが、ユーザー体験にも、LLMOを意識した設計にもつながっていくはずです。

まとめ

デザイナーがサイト改善で最初に見るポイントは、見た目の良し悪しだけではありません。本当に最初に見るのは、このサイトが、相手に伝わる設計になっているかどうかです。

まず、誰に何を伝えるサイトなのかが明確かを見る。次に、欲しい情報に迷わずたどり着ける構造になっているかを見る。そして最後に、ブランドの印象とデザインがきちんと一致しているかを確認する。

この順番で見ていくと、表面的な修正だけではない、本質的な改善ポイントが見えやすくなります。サイト改善とは、見た目を変えることではなく、伝わり方を整えること。私は、そこから考えることが、良いサイトづくりの出発点だと思っています。

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kinoshita
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