AI対策 ホームページ どこまで:アイキャッチ

ここ数年で、AIは一気に身近な存在になりました。
検索の仕方も変わり、AIに質問して、要約された答えから情報を得ることも一般的になってきたと思います。

その流れの中で、Web制作でも「LLMO対策」や「AIに引用されやすい情報設計」が意識されるようになってきました。

もちろん、これからのホームページ制作において、AI対策は無視できません。
ユーザーに見つけてもらうためにも、サイト内の情報を整理し、AIにも理解されやすい形にしておくことは大切です。

ただ、実際にLLMO対策を意識しながらサイトを作っていると、ふと「人間のためのホームページなのに、なぜここまでAIのことを考えなければいけないのだろう。」と思うことがあります。

AI対策は必要だけど、AIのためだけのホームページにはしたくない。

このバランスが、これからのWeb制作ではとても大切だと感じています。

AI対策ばかりを意識すると、違和感のあるサイトになる

LLMO対策では、AIに内容を理解してもらいやすくするために、情報を整理することが重要だと言われます。

たとえば、

  • ページの冒頭に要約文を入れる。
  • 質問と回答の形で情報をまとめる。
  • 見出しを分かりやすくする。
  • 箇条書きで要点を整理する。

これらは、たしかに有効な方法です。

ただし、そればかりを意識してサイトを作ると、少しずつ違和感が出てきます。

  • すべてのページの上部に同じような要約文が入っている。
  • どのページも似たような構成になっている。
  • やたらとリストが多い。
  • 説明は分かりやすいけれど、温度感がない。
  • 情報は整理されているのに、印象に残らない。

そんなサイトになってしまうことがあります。

AIにとっては読み取りやすいかもしれません。しかし、人が見たときに「この会社に相談してみたい」「このサービス、良さそう」と感じられるかというと、少し疑問が残ります。

ホームページは、最終的には人に見てもらい、人に信頼してもらい、人に行動してもらうためのものです。

AIが身近になったからこそ、人が作ったものの価値を感じる

AIはとても優秀です。文章も作れますし、構成案も出せます。情報を整理する力も高く、Web制作の現場でも無くてはならない存在です。

ただ一方で、AIにまるごと任せた文章には、どこか冷たさや均一さを感じることがあります。逆に、少し文章にクセがあったり、多少ぎこちない表現があったとしても、その人の考えや迷いがにじんでいる文章は、読んでいて面白いと感じます。

完璧ではないけれど、人柄が見えてくる文章は伝わりますし、整いすぎていないからこそ、引っかかる。AIが身近になったからこそ、改めて「人間が考えて作ること」の価値が見えてきたように思います。

AIは、任せるものではなく補助として使う

Webサイトを作るとき、AIに構成案やテキストを作ってもらうこと自体は悪いことではありません。むしろ、アイデアを広げたり、情報を整理したり、抜け漏れを確認したりするにはとても便利です。ただ、サイトの軸になる部分までAIに任せきってしまうと、どうしても平凡なサイトになりやすいと感じます。

なので大切なのは、まず人間が考えることです。

  • このサイトを見る人は、どんな悩みを持っているのか。
  • 何に不安を感じているのか。
  • どんな情報があれば安心できるのか。
  • どのタイミングで背中を押されるのか。
  • この会社らしさは、どこにあるのか。

そういった部分を考えたうえで、サイトの軸を作る。その補助としてAIを使うと、自然と人間ファーストのサイトになっていきます。

AIに作ってもらうのではなく、AIを使って考えを整理する。この違いは、とても大きいと思います。

最低限やるべきAI対策

では、Web制作におけるAI対策は、どこまでやればいいのでしょうか。

私の考えでは、まず必要なのは、特別なテクニックではありません。大切なのは、ユーザーが知りたい情報を、分かりやすく整理することです。

具体的には、以下のようなことです。

最低限やるべきこと内容
何の会社・サービスかを明確にする初めて見た人が、すぐに内容を理解できるようにする
誰に向けたサービスかを書く対象者が自分ごと化できるようにする
サービス内容を具体的に説明する対応範囲、特徴、できることを明記する
よくある質問を整理する問い合わせ前の不安や疑問に答える
事例や実績を載せるその会社ならではの一次情報を増やす
見出し構造を整えるページの流れを分かりやすくする
画像内だけに重要情報を入れないテキストとしても情報を掲載する

このあたりは、AI対策というより、そもそも良いホームページを作るうえで必要なことです。

ユーザーに分かりやすい情報は、AIにも理解されやすい。
逆に、人間が読んでも分かりにくいサイトは、AIにとっても理解しづらくなります。

やらなくてもいいけれど、やると良いこと

最低限の情報整理ができたうえで、以下のような対策も有効です。

やると良いこと内容
コラムを継続的に更新する専門性や考え方を蓄積できる
用語解説ページを作る業界用語やサービスの理解を助ける
比較コンテンツを作る選び方や判断基準を示せる
課題別のページを作るユーザーの悩みからサービスにつなげやすくなる
導入事例を詳しく書く課題、提案、解決策、結果まで伝えられる
著者情報を入れる誰が発信している情報なのかが分かる

ただし、これらも「AIに拾われるため」だけに行うのではなく、ユーザーにとって必要かどうかを基準に考えるべきです。

FAQも、数を増やせばいいわけではありません。
本当にユーザーが不安に思うこと、問い合わせ前に知りたいことを整理するから意味があります。

やりすぎなくていいAI対策

一方で、やりすぎなくていいこともあります。

やりすぎなくていいこと理由
すべてのページに同じような要約文を入れるページごとの個性が薄れる
不自然なほど箇条書きを増やす文章の流れや温度感が失われる
AI向けキーワードを何度も繰り返す読み手にとって違和感が出やすい
どのページも同じ構成にするサイト全体が平凡で印象に残りにくい
AIに拾わせるためだけの記事を量産する独自性が弱く、信頼につながりにくい

特に注意したいのは、AI対策を意識しすぎて、ページ全体のリズムが崩れてしまうことです。

ホームページには、情報だけでなく、印象も必要です。

この会社は信頼できそう。
このサービスは自分に合っていそう。
この雰囲気なら相談しやすそう。

そう感じてもらうには、情報の整理だけでなく、言葉の温度感やデザインの余白、写真の選び方、導線の置き方も大切です。

AI対策の答えは、人を見ることにある

AI対策と聞くと、何か特別な技術や新しいルールに対応しなければいけないように感じます。

しかし、Web制作の本質は大きく変わらないと思います。

大切なのは、画面の向こうにいる人を理解することです。

  • 誰に向けたサイトなのか。
  • その人は何に困っているのか。
  • 何を知れば安心できるのか。
  • どんな言葉なら届くのか。
  • どんなシチュエーションにいるのか

そこを丁寧に考えて設計すれば、結果的にAIにも伝わりやすいサイトになります。

AI対策は、あくまで手段です。目的は、ユーザーに見つけてもらい、理解してもらい、信頼してもらうことです。

だから、Web制作におけるAI対策は、やればやるほど良いものではありません。

最低限、情報を分かりやすく整理する。必要に応じてFAQや事例、コラムを整える。そして最後は人に伝わるかどうかを基準にする。

AIに伝わるように整えることは必要ですが、人に響くように設計することのほうが、もっと大切です。

ホームページは、AIのためだけにあるものではく、画面の向こうにいる人に、会社の考えやサービスの価値を届けるためにあります。

AI時代だからこそ、ただ情報を整えるだけではなく、そこに人の考えや温度感をのせること。それが、これからのホームページ制作で大切になるのだと思います。

投稿者プロフィール

kinoshita
kinoshita
Webデザイナー。中小企業のコーポレートサイトを中心に、見た目だけでなく、情報の伝わり方や使いやすさを踏まえたデザインを担当。