
BtoB企業のWebサイトは、単なる会社案内ではなく、見込み顧客との接点を生み出し、ビジネス成果につなげる重要なツールです。しかし、いざWebサイトを作ろうとすると、「何を載せればよいのか?」「どんなコンテンツが成果につながるのか?」と悩むことも多いのではないでしょうか。
本記事では、成果を出すBtoBサイトのコンテンツ設計のポイントを解説します。SEO対策を意識しながら、見込み顧客がどのようなシチュエーションでWebサイトを訪れるのかという視点を軸に、具体的なコンテンツの設計方法を紹介します。
見込み顧客の状況を想定する
BtoB企業のWebサイトを訪れるユーザーは、以下のような状況にあることが多いです。
- 情報収集フェーズ(認知・興味関心)
業界動向や課題の解決策を探している段階。具体的な製品やサービスを検討する前の情報収集目的で訪問する。 - 比較・検討フェーズ(意思決定)
複数の企業やサービスを比較しながら、自社に最適な選択肢を探している。 - 導入・取引フェーズ(購入・契約)
契約前の最終確認として、導入事例やサポート体制をチェックする。
このような見込み顧客の状況を考慮したコンテンツ設計を行うことが、成果につながるWebサイトづくりの第一歩です。
成果につながるBtoBサイトの必須コンテンツ
企業情報
会社概要などをはじめとする企業情報ページはBtoBサイトの中でもよく見られるページの一つです。企業の信頼性を高めるために、次のような情報を整理しましょう。
- ミッション・ビジョン
- 事業内容と提供価値
- 代表メッセージや企業の歴史
- 主要取引先や実績
- 採用情報(求職者向けコンテンツも重要)
BtoB取引では、「どんな会社と取引するのか?」という安心感が重視されます。単なる会社概要ではなく、「この会社となら信頼して取引できる」と思わせる情報を整理しましょう。
ソリューション・サービスページ
訪問者は「自社の課題を解決できるか?」を知りたいと考えています。そのため、単なる製品・サービスの説明ではなく、顧客の課題を軸にコンテンツを設計すると効果的です。
例えば、次のような構成にすると、より伝わりやすくなります。
- ターゲットの課題を提示
- 課題に対する解決策としてのサービス紹介
- 導入メリットと差別化ポイント
- 導入事例・実績
- 導入までの流れとサポート体制
「なぜこのサービスが必要なのか?」というストーリーを持たせることで、訪問者の納得感を高めます。
導入事例・お客様の声
BtoBでは事例が意思決定の大きな材料になります。そのため、具体的な導入事例や顧客の声を充実させることが重要です。
- 導入前の課題 → 導入後の成果をストーリーとして紹介
- 業種・企業規模別にカテゴリ分けすると、ターゲットに響きやすい
- 数値データ(コスト削減率、業務効率化の数値)を含めると説得力が増す
ナレッジコンテンツ・ブログ
BtoBサイトの多くは指名検索(会社名検索)で流入する傾向がありますが、見込み顧客を広げるためにはSEO対策が欠かせません。そこで効果的なのが、業界に関する知識や課題解決のヒントを提供する「ナレッジコンテンツ」です。
- 業界の最新トレンド・動向
- 導入前に知っておきたい基礎知識
- 製品・サービスの活用事例や比較記事
- よくある課題とその解決策
コンテンツマーケティングを活用し、検索流入を増やしながら見込み顧客の興味を引くことが、成果につながります。
お問い合わせ・資料請求導線
せっかく訪問者が興味を持っても、問い合わせしにくいと機会損失になります。問い合わせフォームは次のように設計しましょう。
- 入力項目は最小限に(最初は「名前・メールアドレス」だけでもOK)
- CTA(Call to Action)を適切に配置(各ページの目立つ位置に「資料請求」「無料相談」ボタンを設置)
- 電話・チャットの問い合わせ手段も用意(フォーム送信に抵抗がある人向け)
また、「問い合わせるほどではないが興味がある」層に対しては、無料ホワイトペーパー(資料ダウンロード)を提供すると、リード獲得につながります。
まとめ:BtoBサイトは「価値提供型コンテンツ」で成果を出す
BtoBサイトでは、単に「商品を売る」のではなく、顧客の課題解決をサポートする情報を提供することが重要です。そのため、次のポイントを意識してコンテンツを設計しましょう。
- 見込み顧客のシチュエーションを想定する
- 企業情報で信頼性を伝える
- 課題解決を軸にサービスページを設計する
- 事例・導入実績で説得力を強化する
- SEOを意識したナレッジコンテンツを用意する
- 問い合わせ・資料請求の導線を最適化する
BtoBサイトは「ただのWebカタログ」ではなく、顧客にとって価値ある情報を提供し、ビジネス成果につなげる場です。自社の強みを活かしながら、成果を最大化するWebサイトを目指しましょう。
投稿者プロフィール


- プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。徹底的なユーザー視点でのWEBサイトの構築やコンテンツ制作を通じて事業課題の解決を支援している。
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