新しい働き方への取り組みについて広く多くの人に知ってもらうためのベースができました。
国立大学法人 神戸大学 山本健太研究室
障害のある方に協力を得て、認知機能、特に記憶や感情といったメカニズムを明らかにすることを目指す山本研究室。
新しい働き方への取り組みをより多くの人に知ってもらうべく、超短時間雇用に関する取り組みのプロジェクトサイトとパンフレットの制作を行いました。
ブリッジに依頼した経緯や良かったこと、プロジェクトへの想いについてお伺いしました。
01. 山本研究室と今回の「超短プロジェクト」について
みんなにやさしい新しい働き方のことを多くの人に知ってほしい
私の研究室では、障害のある方にご協力いただきながら認知機能、特に記憶や感情といったメカニズムを明らかにすることを目指しています。
私たちは特に「障害のある方の日常をみる」ことを大切にして日々研究を行っています。
「超短プロジェクト」は、障害や病気によって長時間働くことが難しい方が週に1〜2時間から働ける雇用モデルを目指しています
研究を行う中で、本来は障害のある人を支援するはずの制度が実は障壁になっている問題に出会いました。障害者雇用制度です。
既存の障害者雇⽤率の算定⽅法では⻑時間、⻑期間、安定して働ける障害のある⽅が算定対象となっています。
しかし、この枠組みで働ける⽅はごくわずかです。超短時間で働ける⼈を複数⼈雇⽤することで、国の制度を満たしていることにしようというのが「超短プロジェクト」です。
これは東京大学先端科学研究センターの近藤武夫先生のアイデアです。とても実態にあった素晴らしいアイデアだと思いました。
02.超短プロジェクトのウェブサイト・パンフレットを作ろうと思ったきっかけ
多くの人に知ってもらうことが、
このプロジェクトを進める“鍵”だと思った
ウェブサイト・パンフレットを作ろうと思ったきっかけは、雇用のミスマッチが起きてしまったことでした。
実際に働きに来ていただける候補者の方と面談したのですが、仕事内容とご本人の思いが合致しませんでした。
その後も候補の方を探したのですが、なかなか見つからず広く広報する必要があると思いウェブサイト・パンフレットを作ろうと思いました。
03. パートナーとして選んだ理由
リードしてくれるなら大丈夫そう
見通しがクリアになり、不安がなくなった
最初の面談のときに「こんなイメージで作っていきます」と制作のフローをお示しいただいたのが一番の決め手でした。
私はウェブサイトやパンフレットの外注をしたことがなく、とても不安だったので見通しがクリアになったことで「これならできるかも。お願いしよう」という気持ちになりました。
また納期もかなりタイトだったのですが、やりましょう!できます!と励ましていただのは他社にはなかった部分だと思います。
04. 実際に制作が始まってからの印象
実現したい形を最大限に引き出してくれた
とても丁寧にプロジェクトの内容を聞いてくださいました。親密さを感じました。もちろん、ウェブサイト・パンフレット制作の対価としてお金を支払うわけですが、それ以上に「人と人とのつながりを通していいものを作るんだ」という熱意がありました。
おかげで最後まで完走することができました。
橋本さんの仕事に対する姿勢も大好きでした。
撮影と打ち合わせのために実際に神戸大学までお越しいただきました。
これまで大きな会社で勤められてきた中で顔と顔を合わせて仕事したいという思いに共感するところが大きかったです。
まったく分野は違うのですが、なんだか社会人の先輩の話を聞いているようでした(笑)。
05. 力を入れたこと
多くの人にとって、直感的にわかりやすく伝えたい
パンフレットを手にとった人に「あたまを使わせない」という点は重視したところでもあり苦労したところでもあります。
研究をしているとグラフを載せたほうがわかりやすいという思い込みがあったのですが、パンフレットではグラフを載せるとそれについて「あたまを使う」ことになるので気をつけました。
これは制作の過程でアドバイスいただいたことでとても勉強になりました。
あとこだわったのは「制度ではなく文化をつくりたいのだ」というメッセージです。今回の超短プロジェクトは制度から外れる人を想定しているため、このメッセージは絶対に入れたいと思いました。
05. プロジェクトへの想い
より、知ってもらいやすくなったことが“気づき”につながっていると実感
ほかの研究者の先生から神戸市の助成金に採択されたことについて「おめでとう」と声をかけてもらう機会が多くなりました。
研究者として資金を調達することは評価を得るにあたって大切なことなのでうれしく思います。
もちろん、この結果を神戸市民のみなさまに還元することがゴールですので、大学の中だけで完結せずに視野を広げて研究活動を進めたいと思います。
学生さんからの反響としては、授業でこのプロジェクトを紹介するのですが、週20〜30時間の壁は知らなかったという学生さんがほとんどです。
制度は人を救うためのものであるはずなのに障壁になっている点にハッとさせられるようです。
06. 今後の目標
⼈をみる。いかに固有名詞で話ができるか、その⼈の⽣活がみえるかを⼤切に。
引き続き、「障害のある人の日常をみる」という視点を忘れずに研究をおこなっていきたいです。
日々の仕事に追われて現実をみる機会が減ってしまいます。
それはかなり危険で机上の空論になりかねません。研究室を一歩飛び出す勇気をもちたいです。
あとは、常に謙虚な姿勢をもちたいです。
職業柄、専門家として人前に立つことが多いのですが、実はそんなにえらいわけでもないです。
たくさんの人に助けてもらっています。私ができることはとても少ないですが、困っている人がいたら少し肩を貸す、または貸してもう人でありたいと思います。
一人ひとりの1ミリのやさしさがめぐる社会になればいいなと思います。
最後に、今回このような機会をくださったブリッジさんに改めて御礼申し上げます。また別の仕事が発生した場合はぜひお願いしたいと思います。
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