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「この会社がいい」と判断できるホームページとは

企業のホームページをつくるとき、まず考えるのは「自分たちは何を伝えたいか」ではないでしょうか。サービスの特徴、これまでの実績、会社の強み、代表の思い。どれも企業を知ってもらうためには大切な情報です。

ただ、ホームページを見る側の立場に立つと、少し違う見え方になります。

ユーザーは必ずしも「この会社について詳しく知りたい」と思ってサイトを訪れているわけではありません。多くの場合は、「自分の課題に合っているか」「相談して大丈夫そうか」「他の会社と比べて、ここを選ぶ理由があるか」といったことを確認しに来ています。

つまり、ホームページは会社を紹介する場所であると同時に、ユーザーが「この会社がいい」と判断するための場所でもあります。

今回は、そんな視点から、企業サイトに必要な情報について考えてみます。

ユーザーは、会社そのものを知りたいわけではない

会社側から見ると、ホームページは自社を説明する場所です。何をしている会社なのか。どんな歴史があるのか。どのようなサービスを提供しているのか。自社のことを正しく伝えることはもちろん必要です。

一方で、ユーザーが知りたいのは、その情報そのものではありません。

たとえば勤怠管理システムを探している人なら、「勤怠管理システムについて詳しく知りたい」と思ってサイトを見ているわけではないでしょう。

自社の勤務形態に対応できるか。今使っている給与計算ソフトと連携できるか。導入後に現場で無理なく使えそうか。サポート体制に問題はないか。そうしたことを判断するために、サービスの情報を見ています。

この違いは小さなものに見えますが、ホームページのつくり方には大きく影響します。企業側の「これを知ってほしい」という視点だけで情報を並べると、詳しいけれど判断しづらいサイトになってしまうことがあります。

情報が多ければ、判断しやすいとは限らない

情報量が多いホームページは、一見すると親切に見えます。サービス説明が詳しく、会社概要も充実していて、実績もたくさん掲載されている。それでも、見終わったあとに「結局、自分たちに合っているのだろうか」と感じるサイトは少なくありません。

理由のひとつは、情報が「説明」で止まっているからです。

たとえば「幅広い業種に対応しています」と書かれていたとしても、自社のような会社にも合うのかは分かりません。「柔軟に対応します」と書かれていても、何をどこまで柔軟に対応してくれるのかは見えてきません。情報を増やすこと自体が目的になると、企業側としては十分説明したつもりでも、ユーザー側には判断材料が残らないことがあります。

大切なのは、「何を載せるか」だけではなく、その情報を見た人が何を判断できるのかまで考えることだと思います。

強みは、「自分に関係がある」と感じられて初めて意味を持つ

企業サイトでは、自社の強みを伝えることが重視されます。「豊富な実績」「高い専門性」「柔軟な対応」「丁寧なサポート」。どれも企業として伝えたい内容ですが、こうした言葉だけでは、ユーザーは自分との関係を判断しにくいことがあります。

たとえば「柔軟な対応」という言葉も、要件が固まっていない段階から相談できるのか。社内にWeb担当者がいなくても進められるのか。公開後も継続して相談できるのか。そこまで具体的になると、「自分たちにも合いそうだ」と考えやすくなります。

強みは、会社側から見た評価だけで完結するものではありません。その強みが、どんな人に、どんな場面で役立つのか。

そこまで伝わって初めて、ユーザーにとっての判断材料になります。

実績は「すごさ」より、「自分にも合いそうか」を見るためのもの

実績ページも同じです。企業側としては、できるだけ多くの実績を見せたいと考えることがあります。件数や取引先、導入企業などが多ければ、それだけ信頼につながると考えるからです。

もちろん、実績の数が安心材料になることはあります。

ただ、ユーザーが実績を見る目的は、「この会社はすごい」と感じることだけではありません。自社と近い業界の経験はあるか。似た課題を扱ったことがあるか。どのくらいの規模の案件に対応しているか。そうしたことも確認しています。

そのため、実績は数を並べるだけではなく、どんな背景があり、どんな課題に対して、どのように考えて取り組んだのかまで見える方が、判断しやすくなります。

実績は会社の実力を証明するためだけではなく、ユーザーに「自分たちも相談できそうだ」と感じてもらうための情報でもあります。

「向いている相手」を伝えることは、顧客を狭めることではない

企業サイトをつくるとき、「できるだけ多くの人に問い合わせてもらいたい」と考えるのは自然なことです。そのため、「どんなご相談でも対応します」「まずはお気軽にお問い合わせください」と、間口を広く見せる表現が増えがちです。

ただ、ユーザーからすると、自分がその会社に合っているのか分からないままです。

むしろ、どんな相談に向いているのか、どんな進め方を大切にしているのかが分かった方が、問い合わせへの不安は小さくなります。

たとえば、一緒に考えながら進めたい企業に向いているのか。要件が完全に決まった状態で、指示通り制作してもらいたい企業に向いているのか。

どちらが良い悪いではありません。大切なのは、相手が「自分たちに合っているか」を判断できることです。

向いている相手を明確にすることは、顧客を狭めるというより、ミスマッチを減らすことだと考えています。

判断は、問い合わせボタンを押す直前だけに行われるわけではない

ユーザーが「この会社に相談しよう」と決めるのは、問い合わせフォームの直前だけではありません。

  • トップページを見て、「自分たちと関係がありそう」と感じる。
  • サービスページを見て、「この課題なら相談できそう」と思う。
  • 実績を見て、「似たケースにも対応している」と安心する。
  • 会社情報を見て、「この考え方なら任せられそう」と感じる。

こうした小さな判断が積み重なって、最終的な問い合わせにつながります。

そのため、問い合わせボタンを目立たせたり、フォームを改善したりすることだけでなく、それまでのページで必要な判断材料が揃っているかを見ることが重要です。

問い合わせにつながらないとき、必ずしも導線だけに問題があるとは限りません。

その前の段階で、「ここに相談する理由」が十分に伝わっていないこともあります。

「何を伝えるか」から、「何を判断してほしいか」へ

ホームページをつくるとき、私たちはつい「このページで何を伝えるか」を考えます。

もちろん、それは必要な視点です。ただ、もう一歩進めて、「このページを見た人に、何を判断できる状態になってほしいか」まで考えてみると、載せるべき情報が変わってきます。

サービスページであれば、自分の課題に対応してもらえそうか。実績ページであれば、自社と似たケースにも対応できそうか。会社案内であれば、どんな考え方で仕事をする会社なのか。

それぞれのページには、ユーザーが判断するための役割があります。企業が伝えたい情報を並べるだけではなく、相手が理解し、比較し、判断できる状態をつくる。

私たちは、ホームページを考えるときに、この視点を大切にしたいと思っています。

まとめ

ホームページは、会社を紹介する場所です。しかし、ユーザーにとっては、会社の説明を受けること自体が目的ではありません。

自分に合っているか。相談しても大丈夫そうか。他の会社と比べたときに、ここを選ぶ理由があるか。そうしたことを判断するために、ホームページを見ています。

だからこそ、情報量を増やすことよりも、その情報によって何を判断できるのかを考えることが重要です。

「何を伝えるか」だけではなく、「相手が何を判断できるか」まで設計する。

それが、「この会社でいい」と思えるホームページにつながるのではないでしょうか。

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投稿者プロフィール

kinoshita
kinoshita
Webデザイナー。中小企業のコーポレートサイトを中心に、見た目だけでなく、情報の伝わり方や使いやすさを踏まえたデザインを担当。