
AIは、毎日のように進化している。
気づけば、昨日できなかったことが今日はできるようになっている。
たとえば、資料をまとめる仕事。
「こんな感じで、こんな目的で、こんな相手に見せたい」と、ざっくり伝えると、
はいはい、と言わんばかりに、しゃしゃっと仕上げてくれる。
しかも、「この切り口でも作りましょうか」なんて気の利きようだ。
最初は「ありがたいけど、まだまだだな」なんて思っていた。
でも今では、なんだかんだ言って、頼れるパートナーだと思っている。
文句も言わないし、体調不良にもならないし、やたら前向きだし。
そのおかげで、自分は考える時間が持てるようになった。
家に帰る時間も早くなった。
余白って、いいなあと思うようになった。
でもね、と思う瞬間もある。
たとえば、プレゼンの締めくくりのひと言。
誰かの悩みにそっと寄り添うような文章。
大切な人に書くメールの、最後の一行。
そういうのは、AIにはまだ任せられない。
たぶん、データの蓄積や演算の限界とか、そういう技術的な話もあるのだろうけど、
もっとシンプルに、「心が動く」って、まだ人の仕事なんだと思う。
たとえば、朝見た空の色。たまたま耳にした言葉。なんとなく感じた違和感。
そういう目に見えないものたちが混ざってできる「何か」には、まだAIは触れられない。
いつか、そこにもAIが届く日が来るかもしれない。
そのとき、ぼくたちはどうなるんだろう。
「心を動かすことまでAIがやってくれるから、自分は何をしよう?」
なんて、ちょっとひまを持て余してるかもしれない。
でも、今はまだ、ここだけは譲れない。
心を動かす、最後のひと押しは、人のしごと。
そう思っているから、今日も、
AIに資料をつくってもらいながら、
その最後の一行を、人間の手で書いている。
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投稿者プロフィール


- プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。徹底的なユーザー視点でのWEBサイトの構築やコンテンツ制作を通じて事業課題の解決を支援している。
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