
「文字なんて読まない、いらない」と言われることがある。
そう言われると、ちょっと悲しくなる。
だって、文字って、ただの記号じゃない。
人が考えて、感じて、伝えたくて書くものだ。
たしかに、パッと見てわかるデザインは大事だし、映像や写真もぐっとくる。
でもね、言葉には「あとからじんわり染みる力」があるんだ。
見た瞬間には気づかなくても、あとで思い出すのは、
誰かがくれた「ひとこと」だったりする。
「読まないから、いらない」っていうのは、
「料理は見た目で決まるから、味はいらない」と言うようなもの。
「空気は見えないから、吸わなくていい」と言うようなもの。
そんなわけ、ないでしょう?
テレビCMにキャッチコピーがあるのも、
映画の予告編にナレーションがあるのも、
雑誌の写真にキャプションが添えられるのも、
結局、言葉がないと伝わらないことがあるからだ。
人は、読まないわけじゃない。
読まなくても済むなら読まないだけで、
「読みたくなるもの」には、ちゃんと目をとめる。
だから、「読まれないから、いらない」のではなく、
「読まずにはいられないものを作る」ほうが大事なんだ。
読まれる言葉は、目で追うものじゃなく、
心で感じるものだから。
だから、僕は思う。
文字は、いらないんじゃなくて、もっと「いる」んだ。
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投稿者プロフィール


- プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。徹底的なユーザー視点でのWEBサイトの構築やコンテンツ制作を通じて事業課題の解決を支援している。
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