ホームページのリニューアルを任されたものの、「何から始めればよいのか分からない」と感じる方は少なくありません。

ホームページ制作の専門知識がなければ、制作会社に何を伝えるべきか、社内でどのような準備を進めるべきか判断しにくいものです。また、社内の意見を集めたり、原稿や写真を用意したりと、制作以外にもさまざまな対応が発生します。

ホームページのリニューアルは、制作会社だけで進めるものではありません。自社のことを理解している社内担当者と、Web制作の知識を持つ制作会社が情報を共有しながら進めることで、目的に合ったホームページをつくりやすくなります。

この記事では、ホームページリニューアルの社内担当者が行うことを、準備から制作中、公開後までの流れに沿って解説します。

ホームページリニューアルにおける社内担当者の役割

ホームページリニューアルにおける社内担当者の主な役割は、社内と制作会社の間に立ち、必要な情報や意見を整理することです。

制作会社はホームページの構成やデザイン、システムなどを検討できますが、会社の事業内容や強み、顧客からよく寄せられる相談、社内で抱えている課題までは分かりません。

そのため、社内担当者が各部署から情報を集め、制作会社へ共有する必要があります。反対に、制作会社から出た質問や提案を社内へ持ち帰り、確認や判断を進めることも担当者の役割です。

ただし、担当者がホームページの構成やデザインを一人で決める必要はありません。

重要なのは、社内の情報を整理し、必要な人に確認しながら、制作会社と認識を合わせることです。Webに関する専門的な部分は制作会社に相談し、自社で判断すべき部分と分けて進めます。

リニューアルを始める前に整理すること

制作会社へ相談する前に、まずは現在のホームページについて社内で整理します。この段階ですべてを細かく決める必要はありませんが、課題や目的がある程度明確になっていると、その後の打ち合わせが進みやすくなります。

現在のホームページの課題を洗い出す

最初に、現在のホームページで困っていることを挙げます。例えば、次のような課題があります。

  • 情報が古く、現在の事業内容と合っていない
  • 商品やサービスの違いが分かりにくい
  • スマートフォンで見づらい
  • 社内で更新しにくい
  • 問い合わせにつながっていない
  • 採用情報が不足している
  • デザインが現在の会社の印象と合っていない

課題を整理するときは、担当者だけで考えるのではなく、営業、採用、広報など、ホームページに関わる部署にも確認するとよいでしょう。

例えば営業担当者であれば、「お客様から同じ質問を何度も受ける」「ホームページを見てもサービス内容が伝わっていない」といった課題を把握していることがあります。

現場の声を集めることで、見た目だけではなく、実際の業務や顧客対応に関係する問題も見つけやすくなります。

リニューアルの目的を明確にする

課題を洗い出したら、リニューアルによって何を改善したいのかを整理します。主な目的としては、次のようなものがあります。

  • 商品やサービスへの問い合わせを増やす
  • 採用応募を増やす
  • 自社の強みを正しく伝える
  • 企業イメージを見直す
  • 情報を探しやすくする
  • 社内で更新しやすい仕組みにする

目的が曖昧なまま制作を進めると、デザインの好みや社内から出た要望だけで判断しやすくなります。

一方、「新規顧客からの問い合わせを増やす」「採用候補者に働く環境を伝える」など、目指す方向が決まっていれば、どの情報を優先して掲載するべきか判断しやすくなります。

目的が複数ある場合は、どれを特に重視するのか、優先順位も整理しておきましょう。

想定する閲覧者を整理する

ホームページを誰に見てもらいたいのかも、リニューアル前に考えておきたい項目です。

同じ会社のホームページでも、顧客、取引先、求職者など、閲覧者によって知りたい情報は異なります。

例えば、顧客であればサービスの内容や費用、導入事例を知りたいかもしれません。求職者であれば、仕事内容や職場の雰囲気、社員の声を確認したいと考えます。

想定する閲覧者と、その人にどのような行動をしてほしいのかを整理することで、必要なページや掲載内容を検討しやすくなります。

制作会社へ相談する前に準備したい情報

制作会社へ相談するときは、会社やサービスに関する資料を用意しておくと、自社の特徴を理解してもらいやすくなります。

現在のホームページに関する情報

現在のホームページをリニューアルする場合は、運用環境に関する情報も必要になります。

  • 現在のホームページのURL
  • ドメインの契約先
  • サーバーの契約先
  • WordPressなどの管理画面情報
  • アクセス解析ツールの利用状況
  • 現在の保守管理会社
  • メールサーバーの利用状況

これらの情報は、公開時の切り替えやデータ移行に必要となる場合があります。

契約先やログイン情報が分からない場合は、以前の制作会社や社内のシステム担当者へ確認します。調べ方が分からない場合は、分かる範囲の情報を制作会社に共有し、確認方法を相談しても問題ありません。

参考にしたいホームページ

参考にしたい他社サイトがあれば、URLをまとめておくとイメージを共有しやすくなります。

ただし、単に「このホームページのようにしたい」と伝えるだけでは、どの部分を参考にしたいのか分からないことがあります。

「サービスの違いが分かりやすい」「写真の使い方が自社のイメージに近い」「情報を探しやすい」など、参考にした理由も伝えましょう。

複数のホームページを共有しても構いません。制作会社が共通点を整理し、自社に合った方向性を検討する材料になります。

制作中に社内担当者が行うこと

制作が始まると、社内担当者は制作会社からの質問への回答、素材の準備、デザインや文章の確認などを行います。

制作会社からの質問に回答する

制作会社は、打ち合わせや資料をもとに会社やサービスへの理解を深めていきます。

その過程で、顧客層、サービスの違い、問い合わせ後の流れ、競合との違いなどについて質問されることがあります。

担当者だけで回答できない場合は、営業担当者やサービス責任者などに確認します。

すぐに答えが出ない場合でも、曖昧な内容をそのまま伝えるのではなく、確認が必要であることを制作会社へ共有しましょう。

原稿や写真などの素材を用意する

ホームページ制作では、文章や写真、ロゴ、実績などの素材が必要です。

必要な素材は、制作するページによって異なります。制作会社から案内された内容を確認し、社内の各担当者へ依頼します。

原稿を一から書くことが難しい場合は、営業資料や既存ページ、箇条書きの情報を共有し、制作会社に書いてもらう場合もあります。

どこまで自社で用意し、どこから制作会社が整理するのかを確認しておきましょう。

デザインやページ内容を確認する

制作会社からデザインやページが提出されたら、社内で内容を確認します。

確認するときは、担当者個人の好みだけではなく、リニューアルの目的や閲覧者の視点を基準にすることが重要です。

具体的には、次のような点を確認します。

  • 伝えたい内容が分かりやすく整理されているか
  • 商品やサービスの特徴が正しく伝わるか
  • 情報に誤りがないか
  • 自社の印象と大きくずれていないか
  • 問い合わせや応募への導線が分かりやすいか

修正したい箇所がある場合は、「何となく違う」ではなく、理由も含めて伝えると制作会社が対応しやすくなります。

社内の修正意見をまとめる

複数の人が確認する場合は、社内担当者が意見をまとめてから制作会社へ伝えます。

それぞれの確認者が個別に修正を伝えると、内容が重複したり、異なる指示が出たりする可能性があります。

まず社内で意見を集め、矛盾がないか、どの意見を優先するのかを確認します。そのうえで、修正箇所を一つにまとめて共有すると、制作が進みやすくなります。

公開後に社内担当者が行うこと

ホームページは公開したら完了ではありません。公開後も情報を更新し、必要に応じて改善していくことが重要です。

まずは、ホームページをリニューアルしたことを社内に共有します。必要に応じて、取引先への案内やSNS、メールなどでも告知します。

名刺やパンフレット、求人媒体などに掲載しているURLが変わる場合は、修正が必要です。

また、公開後は問い合わせの状況や閲覧されているページを確認します。

営業担当者から「ホームページを見た顧客から、このような質問が増えた」といった情報を集めることも改善につながります。

情報が古くなっていないか、新しい実績を追加できないか、顧客からよく聞かれる内容を掲載できないかを定期的に見直しましょう。

まとめ

ホームページリニューアルにおける社内担当者の主な役割は、社内の情報を集め、意見を整理し、制作会社と共有することです。

リニューアルを始める前には、現在の課題や目的、想定する閲覧者を整理します。制作中は、質問への回答、素材の準備、デザインや内容の確認を行い、公開前には掲載情報やフォームの動作を確認します。

Web制作に関する専門知識がなくても、社内の情報を整理し、必要な人へ確認できれば、担当者としてプロジェクトを進めることができます。

何を準備すればよいか分からない段階でも、制作会社へ相談することは可能です。現在のホームページで困っていることや、リニューアルで実現したいことから整理していきましょう。

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投稿者プロフィール

kinoshita
kinoshita
Webデザイナー。中小企業のコーポレートサイトを中心に、見た目だけでなく、情報の伝わり方や使いやすさを踏まえたデザインを担当。