企業のホームページを見ていると、

「お知らせの更新が数年前で止まっている」
「採用情報が古いまま残っている」
「すでに終了したサービスが掲載されている」

といった状態を見かけることがあります。

会社自体は現在も問題なく営業しているのに、ホームページだけを見ると、時間が止まっているように見えてしまう。

こうした状態になる背景の一つに、Web担当者の退職や異動があります。

担当者が変わったことをきっかけに、更新方法が分からなくなったり、制作会社とのやり取りが途切れたりして、そのままホームページの運用が止まってしまうケースです。

ただ、本当の問題は「担当者が辞めてしまったこと」ではありません。

問題なのは、担当者がいなくなると運用できなくなる状態になっていたことです。

今回は、Web担当者の退職や変更によってホームページ運用が止まってしまう原因と、属人化を防ぐために考えておきたいことについてご紹介します。

担当者が変わった途端、更新が止まるホームページ

Web担当者の退職や異動は、どの会社でも起こる可能性があります。

それ自体は特別なことではありません。

しかし、ホームページの運用を特定の担当者一人に任せきりにしていると、その人がいなくなった途端に、

  • WordPressのログイン方法が分からない
  • どの制作会社に連絡すればよいか分からない
  • サーバーやドメインの契約情報が見つからない
  • どの情報を定期的に更新していたのか分からない
  • Google AnalyticsやSearch Consoleを確認できない
  • 過去にどんな改善を行ったのか分からない

といった問題が起こります。

その結果、「とりあえず今のままでいいか」となり、数か月、数年と更新されないホームページになってしまうことがあります。

これは、ホームページ運用が担当者個人に依存していた、いわゆる属人化の状態です。

ホームページ運用は「記事を更新すること」だけではない

Web担当者というと、ニュースやブログを更新する人というイメージを持たれることもあります。

しかし、実際のホームページ運用はそれだけではありません。

たとえば、

  • プラグインの管理
  • サーバーやドメインの管理
  • サービス内容の更新
  • 採用情報の更新
  • 実績や事例の追加
  • 問い合わせ導線の確認
  • アクセス解析
  • SEOやコンテンツの検討
  • 制作会社への修正依頼
  • 社内から掲載する情報を集める

など、さまざまな業務があります。

そのため、担当者変更の際に「操作方法だけ教えておけば大丈夫」というわけではありません。

ホームページをどのような目的で運用しているのか、どんなルールで更新しているのかまで引き継ぐ必要があります。

担当者変更に備えて残しておきたい情報

ホームページ運用を属人化させないためには、普段から必要な情報を整理しておくことが大切です。

まず確認しておきたいのが、各種アカウントや管理権限です。

たとえば、

  • WordPressなどのCMS
  • サーバー
  • ドメイン
  • Google Analytics
  • Google Search Console
  • Googleビジネスプロフィール

などです。

担当者個人のメールアドレスだけで登録していると、退職後にログインできなくなる可能性があります。

可能であれば会社で管理できるアカウントを利用したり、複数人に権限を設定したりしておくと安心です。

また、制作会社や保守会社など、外部パートナーの情報も残しておきましょう。

「ホームページの修正はこの会社」
「サーバーについてはこの会社」

というように、誰に何をお願いしているのかを整理しておくだけでも、引き継ぎはかなりスムーズになります。

更新ルールも決めておく

アカウント情報だけでなく、ホームページの更新ルールも重要です。

たとえば、

「採用情報は人事担当が確認する」
「新しい実績が出たら営業からWeb担当へ共有する」
「サービス内容に変更があれば事業部から連絡する」

といったルールです。

Web担当者一人が、社内を回って掲載する情報を探している状態では、その担当者が変わったときに情報が集まらなくなります。

本来、ホームページに掲載する情報はWeb担当者だけが持っているものではありません。

採用に関する情報は人事部、サービスに関する情報は営業や事業部、会社情報は管理部など、情報の元は社内のさまざまな部署にあります。

そのため、「Web担当者が更新する仕組み」だけでなく、「Web担当者に情報が集まる仕組み」を作ることが重要です。

「更新できるCMS」と「更新が続く仕組み」は別

ホームページを制作するときに、「WordPressなので、自社で簡単に更新できます」という説明を受けることがあります。

確かにCMSを導入すれば、専門的な知識がなくても文章や画像を変更できるようになります。

しかし、更新機能があれば、自動的にホームページ運用が続くわけではありません。

実際には、

  • 誰が更新するのか決まっていない
  • いつ更新するのか決まっていない
  • 掲載する情報が担当者に集まってこない
  • 社内確認に時間がかかる
  • そもそも何のために更新するのか共有されていない

といった理由で、更新が止まってしまうことがあります。

つまり、「更新できる仕組み」と「更新が続く仕組み」は別物です。

CMSを導入するだけでなく、社内の運用体制まで考えておく必要があります。

過去の改善内容や方針も残しておく

意外と抜けやすいのが、「なぜ現在のホームページがこの形になっているのか」という情報です。

たとえば、

「問い合わせを増やすために、このページへの導線を強くした」
「このサービスを今後伸ばしたいので、トップページで大きく紹介している」
「アクセス解析を見て、このコンテンツを追加した」

といった背景があります。

しかし、その判断を担当者と制作会社だけで共有していると、担当者が変わった際に分からなくなってしまいます。

新しい担当者が「なぜここがこうなっているのか分からない」となり、過去の改善を元に戻してしまうことも考えられます。

打ち合わせ内容や改善した理由、今後の方針などを簡単にでも残しておくと、担当者が変わってもホームページ運用を継続しやすくなります。

制作会社との関係も担当者一人だけにしない

制作会社とのやり取りについても、できるだけ担当者一人だけが把握している状態は避けたいところです。

特に、長くホームページを運用している場合は、

「今後どのサービスを強化するか」
「どのページに課題があるか」
「どんなコンテンツを増やしていくか」

といった話を制作会社と共有していることがあります。

ブリッジでも、お客様によっては定期的にミーティングを行い、現在の課題や今後の方針について話しながら、ホームページの改善を進めています。

こうした内容を複数人で共有しておけば、担当者が変わった場合でも、それまでの流れを引き継ぎやすくなります。

社内ですべて抱えず、外部に管理を任せる方法もある

ホームページの運用を属人化させないためには、すべてを社内だけで管理する必要はありません。

社内では事業やサービスに関する情報を持ち、ホームページの技術的な管理や更新、改善については外部の制作会社に任せるという方法もあります。

ブリッジでは、ホームページ公開後のサポートとして、たとえば次のような管理・運用にも対応しています。

  • プラグインの管理
  • サーバーやドメインの管理
  • サービス内容の更新
  • 採用情報の更新
  • 実績や事例の追加
  • 問い合わせ導線の確認
  • アクセス解析
  • SEOやコンテンツの検討

お客様によって必要なサポート内容は異なりますが、単に「更新の依頼があったら修正する」という関わりだけではなく、ホームページの状況や今後の事業方針を確認しながら、必要な改善を一緒に考えることもあります。

こうした外部パートナーと情報や方針を共有しておけば、社内のWeb担当者が変わった場合でも、ホームページの運用が完全に止まってしまうリスクを抑えやすくなります。

大切なのは、Web担当者一人にすべてを任せることではなく、社内と外部のどちらが何を担当するのかを明確にし、担当者が変わっても運用が続く体制を作っておくことです。

更新が止まっているサイトは会社の印象にも影響する

ホームページが更新されていないことは、単に社内の運用上の問題だけではありません。

サイトを見るユーザーの印象にも影響します。

たとえば、お知らせの最終更新が数年前だった場合、

「この会社は今も営業しているのだろうか」
「このサービスはまだ提供しているのだろうか」
「問い合わせても大丈夫だろうか」

と不安に感じる人もいるでしょう。

実際には活発に営業していたとしても、ホームページの情報が古いことで、会社の現在の姿が正しく伝わらない可能性があります。

だからこそ、ホームページは「一度作れば終わり」ではなく、会社の変化に合わせて継続的に更新していく必要があります。

ホームページは、Web担当者個人のものではなく、会社が持つ情報資産の一つです。もし現在、「この担当者がいなくなったら誰も分からない」という状態になっているのであれば、一度、運用体制そのものを見直してみてはいかがでしょうか。

Webサイト制作について相談する

企業の強みや想いを、どのように整理し、どう伝えるべきか。Webサイト制作の進め方や、いまの課題についてご相談いただけます。

投稿者プロフィール

kinoshita
kinoshita
Webデザイナー。中小企業のコーポレートサイトを中心に、見た目だけでなく、情報の伝わり方や使いやすさを踏まえたデザインを担当。