AIへの問いの力と想像する力が心を動かす何かを生む

AIが便利になればなるほど、使う人のスキルの差が、
そのまま仕事の差になる。最近、それを強く感じる。

AIを使いこなすというのは、単に命令を出すことじゃなくて、
ゴールへと導くプロセスを管理することなんだ。
たとえば、AIに「こういう観点でアイデアを出して」
「このアイデアに対して対論を展開して欲しい」
と頼めば、それなりのものが出てくる。
でも、それが「刺さる」ものになるかどうかは、
結局、使う側の設計次第。

とにかくレスポンスのスピードが速い。
おまけに精度もなかなかだ。
だからこそ、AIへの問いの力が問われる。
対話を重ねるほど、結果が深まっていく。
こりゃすごいな、と思うけど、
同時に「じゃあ人間は何をするんだ?」とも思う。

たぶん、それは「想像すること」なんじゃないか。
AIは過去のデータや、積み重ねたプロセスをもとに、
ロジカルな提案をしてくれる。
「ラテラルなアイデアを出して」と頼んでも、
出てくるのはロジカルの延長線上にあるラテラルだ。
もちろん、それも役に立つ。

でも、ロジカルな考えの外へ飛躍するような、
「おいおい、それはどういうことなの?ちょっと説明してみてよ」
なんて言いたくなるような意外性のあるアイデアを出すのは、
今のところ、やっぱり人間の役割なんだと思う。
逆にAIがそんなアイデアを出してきたら、
期待外れと思ってしまうのかもしれないね。

で、飛躍した想像を、またAIにぶつける。
AIが返してきたものを見て、さらに飛躍させてみる。
論理の裏側にある、言葉にならない感覚や、ふと湧き上がる心の震え。
そこに、人間にしか作れないものがあるんじゃないか。

AIは道具じゃなくて、相棒だとすら感じることがある。
いい相棒には、いい問いを投げたい。
そして、その問いの先にあるのは、
想像する力と、心を動かす何かだ。
僕らがちょっと枠を外れた想像をし続ける限り、
道はどこまでも広がっていく。

関連記事

プロデューサー日誌

プロデューサー日誌

ブリッジ代表の橋本の日々の気づきや考えに関するコラム。

バックナンバーはこちら

投稿者プロフィール

橋本敬(はしもとたかし)
橋本敬(はしもとたかし)
プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。徹底的なユーザー視点でのWEBサイトの構築やコンテンツ制作を通じて事業課題の解決を支援している。