
ある人がしゃべっているのを動画で見たことがあると、
その人の書いた本を読んだときに、
その人が語っているように感じることがある。
もちろん、リアルタイムでその人の声が聞こえるわけではないけれど、
確かにその人が語っているように感じる。
この感覚、けっこうすごい。
たとえば、好きなYouTuberやポッドキャスターが書いた本なら、
もう確実にその人の語り口調で再生される。読んでるのに聞いてる感覚。
これって、存在感の残し方が変わってきたってことなんじゃないかな。
僕たちの会社では、仕事中ずっとFM放送がかかっているんだけど、
番組のパーソナリティのキャラクターを楽しんでいる感覚がある。
考えてみると、かつての作家や思想家は、
作品や言葉でしか伝わらなかった。
でも、今はSNSや動画、音声配信がある。
書いたものだけじゃなく、
「この人ってこういう声で、こういうリズムで話すんだ」
という情報まで、一緒に届けることができる。
そのおかげで、一度でもその人の声を聞いたことがあると、
テキストだけでもその存在を感じるようになる。
単なる「文章」じゃなくて、「語り」として伝わるようになる。
つまり、今の時代、存在感を残す方法は、文字だけじゃなく、
声やリズム、話し方までセットで伝えることなのかもしれない。
これ、結構おもしろい現象だ。
たとえば、SNSの投稿でも、動画でも、音声でも、
普段から自分らしい話し方で発信していれば、
それが「伝わり方の型」になっていく。
そして、いざ何かを文章で伝えるとき、
そのリズムが頭の中で再生される。
こうなれば、ただの文章じゃなくて、
「あの人が話してる!」って感じる文章になる。
存在感って、出そうと思って出せるものじゃない。
でも、自分の「話し方」「リズム」「クセ」を意識して発信し続けることで、
それが伝わり方の型になっていく。
結果的に、リアルでもオンラインでも、
「この人がここにいる」と思わせることができる。
言葉だけじゃなく、声や空気感まで残せる時代。
これをどう活かすかで、伝わり方が大きく変わる。
もしかしたら、今の時代において大切なのは、
「話し方ごと残すこと」なのかもしれないね。
ブリッジ代表の橋本の日々の気づきや考えに関するコラム。
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投稿者プロフィール


- プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。徹底的なユーザー視点でのWEBサイトの構築やコンテンツ制作を通じて事業課題の解決を支援している。
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