WEBサイトで表現する自社の「強み」は顧客視点で考える

Webサイトにおける強みの表現

Webサイトは企業の顔であり、ビジネスを成長させるための重要なツールです。しかし、多くの中小企業では、自社の強みをWebサイトで効果的に活用できていないケースが目立ちます。なぜでしょうか?

それは「顧客視点」が欠けているからです。

自社の強みをWebサイトで表現する際に陥りやすい誤りは、自社視点だけで考えることです。真に効果的なWebサイトを構築するためには、顧客にとって価値ある強みを見極め、それを戦略的に活用する必要があります。

サイトで伝えるべき本当の「強み」とは

多くの企業が「強み」と考えがちなのは、自社の得意分野や他社との差別化ポイントです。しかし、これらは単なる材料に過ぎません。Webサイトで表現すべき真の強みとは、これらの要素を顧客にとっての価値に変換したものです。

顧客にとって魅力的な強みをWebサイトで訴求することができれば、それが「選ばれる理由」となります。強みの構築には三つの視点が必要です:

  1. 自社の絶対的な視点
  2. 競合との相対的な視点
  3. 顧客の視点(最も重要)

効果的なWebサイト構築の前提として、ターゲット顧客を明確に定義することが不可欠です。ターゲットが曖昧であれば、まずはどのような顧客に向けて商品やサービスを提供したいのかを決めることから始めましょう。

Webサイトで強みを効果的に活用するためのステップ

1. 客観的な視点で構築する

Webサイトで活用できる強みを見つけるコツは、主観を排除して客観的に考えることです。具体的には以下の点を検討します:

  • なぜその特徴が存在するのか
  • その特徴によって顧客にとってどんなメリットがあるのか

商品やサービスの特徴を「ベネフィット」(顧客にとっての利益)に変換することで、Webサイト上での魅力が伝わりやすくなります。既存顧客の声は、ベネフィットを考える上で貴重な情報源となりますので、積極的に活用しましょう。

2. 強みを基にサイトコンセプトを構築する

Webサイトで表現すべき強みが明確になれば、次はそれをサイトのコンセプトへと発展させます。具体的には以下の要素を定義します:

  • 誰に(ターゲット顧客)
  • 何を(提供する価値)
  • どのように(表現方法)

「誰に」「何を」というコア部分が明確であれば、「どのように」という表現方法も自ずと決まってきます。多くの場合、デザインやキャッチコピーを先行させがちですが、コアが曖昧なままでは効果的なWebサイト活用は困難です。

3. 強みをサイトデザインと内容に反映させる

コンセプトをもとに、強みをWebサイト上でどう表現すれば顧客に伝わるかを検討し、デザインやコンテンツに落とし込みます。Webサイトの場合は視覚的な表現に加え、以下の要素も重要です:

  • 目的のページへの導線設計
  • 必要な情報へのアクセスのしやすさ
  • 顧客に提供する機能性

サイトマップやワイヤーフレームといった設計資料を作成し、それに基づいてWebサイトを構築していくことで、強みを効果的に活用できるサイトが実現します。

4. データを活用した継続的な最適化

Webサイト公開後は、アクセス解析データから顧客の行動や反応を読み取り、強みの表現方法をさらに最適化していくことが不可欠です。データに基づいた仮説と検証を繰り返すことで、顧客視点での強みの活用方法を継続的に改善できます。

まとめ:Webサイトの強みを活用するための鍵

Webサイトを通じて自社の強みを効果的に活用するには、顧客視点を中心に据えたアプローチが不可欠です。自社の特徴を顧客にとっての価値に変換し、それをWebサイトのデザインやコンテンツに反映させることで、ビジネス成長のための強力なツールとなります。

企業規模やWebサイトの規模に関わらず、「顧客にとっての価値」という視点で強みを捉え直し、それを効果的に活用する戦略を立てることが、Webサイト成功への近道となるでしょう。

投稿者プロフィール

橋本敬(はしもとたかし)
橋本敬(はしもとたかし)
プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。徹底的なユーザー視点でのWEBサイトの構築やコンテンツ制作を通じて事業課題の解決を支援している。