橋本です。
WEBサイトで自社の強みを打ち出す際に、中小企業のサイトでは結構な割合で強みをうまく活用できてないことが多い。
強みというと、自社の得意分野であったり、他社との比較での優位点などと考えがちだが、これだけでは顧客にインパクトを与える強みを打ち出すことはできない。
なぜなら、顧客視点が欠けているからだ。
WEBサイトで表現すべき自社の「強み」とは?
一般的に強みというと、自社の得意なこと、他社よりも優れていることと考えがちだが、実はそれらが顧客にとって魅力的なものかどうかは別の話だ。
「得意なこと」や「他社よりも優れていること」はあくまでも強みを考える上での材料であって、打ち出すべき強みそのものではない。
それらを顧客にとって魅力的なことへと変換していくことが必要だ。
顧客にとって魅力的な強みを訴求することができれば、それが「選ばれる理由」になる。
自社の絶対的な視点、他社との相対的な視点だけではなく、顧客の視点をもってつくり上げる、これが強みを打ち出すという作業である。
そのためには、大前提として、ターゲットとなる顧客は誰なのかがわかっている必要がある。
もしも、ターゲット顧客がぼんやりとしているのであれば、まずはどんな人に向けて商品やサービスを提供したいのかを決めることから始めなければならない。
WEBサイトをつくるためには、事前に調べたり考えたり決めたりしなければならないことが案外多い。
経験上、6割〜7割はサイトの向かうべきところを決めて、設計する作業に費やされることになる。
強みをつくりあげるコツ
もう少し具体的にみていこう。
強みをつくりあげるにはコツがある。それは、主観を取り除いて考えることだ。
客観的な視点で商品やサービスの特徴を見直し、どこが顧客にとって魅力的なのかを考えればよい。
- なぜその特徴が存在するのか
- その特徴によって顧客にとってどんないいことがあるのか
「顧客にとってどんないいことがあるのか」はベネフィットとも呼ばれるが、特徴とベネフィットは表裏の関係にある。
特徴を訴求しても、顧客はそれが自分にとってどう役に立つのか、どんないいことがあるのかがわからないことが多いので、ベネフィットに変換することで商品はサービスの魅力が伝わるようになる。
既存顧客の声があれば、ベネフィットを考えるうえでの大きなヒントになる。活用しない手はない。
つくりあげた強みをもとにWEBサイトのコンセプトをつくる
打ち出すべき強みがはっきりすれば、 WEBサイトのコンセプトのベースができあがったと言える。
次にやるべきことは、それらを言語化しながらしっかりと磨き上げていくことだ。
具体的には、以下のことを定義する。
- 誰に
- 何を
- どのように
コアとなる「誰に」「何を」が決まれば「どのように」も大きくブレることはない。
残念ながらデザインやキャッチコピーが先行するプロジェクトは未だに存在するが、コアな部分がぼんやりした状態で「どのように」を考えてしまうとうまくいかないのは想像に難くないはずだ。
強みをデザインやキャッチコピーに落とし込みサイトやコンテンツを作り込む
コンセプトをもとに、強みをどう表現すれば顧客に伝わるのかを検討しながら、デザインやキャッチコピーへと落とし込んでいく。
WEBサイトの場合はデザインやキャッチコピーなどの表現に加え、目的のページや情報への導線や、サイトの中で顧客に提供する機能なども合わせて考えていくことになる。
サイトマップやワイヤーフレームと呼ばれる設計のための資料を作成し、その資料をもとに WEBサイトやコンテンツを作り込んでいく。
強みや魅力を表現するためには、企業規模やWEBサイトの規模に関わらず、こうした手順をもとにつくっていく。
顧客の視点をもとに強みや魅力を最適化する
WEBサイトを公開した後には、アクセス解析データから顧客の視点を読み取りながら、強みや魅力をより効果的に伝えるために運用の中で継続的に改善を図っていくことが必要不可欠だ。
データを読み解き、仮説と検証を繰り返しながら、顧客視点で強みをさらに磨き上げていくのだ。
投稿者プロフィール
- プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。徹底的なユーザー視点でのWEBサイトの構築やコンテンツ制作を通じて事業課題の解決を支援している。
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