ホームページ 競合 差別化:アイキャッチ画像

ホームページを見比べていて、「どの会社も似たように見える」と感じたことはないでしょうか。

特に、BtoB企業やコンサルティング会社、士業、制作会社、製造業などでは、提供しているサービスの名称だけを見ると競合との差が分かりにくいことがあります。実際には、会社ごとに仕事の進め方も、得意な分野も、顧客との関わり方も違います。

それでもホームページ上では、

「高品質なサービスを提供します」
「お客様に寄り添った対応を行います」
「豊富な実績があります」
「柔軟に対応します」

といった似たような表現が並び、結果として「他社との違いがよく分からない」状態になってしまうことがあります。

では、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。

原因の一つは、会社に違いがないことではなく、その違いがホームページ上で具体的に伝えられていないことにあります。

今回は、競合と似たような会社に見えてしまう原因と、自社の違いを伝えるためにホームページで意識したいことについて考えていきます。

会社ごとに違いはあっても、ホームページでは同じように見える

同じ業界であれば、サービス内容そのものに大きな差がないことは珍しくありません。たとえばホームページ制作会社であれば、

  • コーポレートサイト制作
  • 採用サイト制作
  • Webサイトの運用
  • SEO対策
  • WordPress構築

など、提供サービスは競合と重なることがあります。

コンサルティング会社や士業でも同様です。扱っているサービス名だけを並べれば、どうしても似た構成になりやすくなります。だからといって、会社ごとの違いがないわけではありません。

同じサービスを提供していても、

  • どのような課題を得意としているのか
  • どんな顧客を多く支援してきたのか
  • どの段階から関わるのか
  • どのような基準で提案しているのか
  • 顧客とどのようにコミュニケーションを取るのか

は会社によって異なります。

こうした部分まで伝えられて初めて、ユーザーは「この会社は自社に合いそうだ」と判断できます。

つまり、ホームページで重要なのは、単に「できること」を並べるだけではなく、その会社がどのように仕事をしているのかまで見せることです。

「高品質」「丁寧」「柔軟」だけでは、違いは伝わりにくい

企業のホームページでよく使われる言葉に、「高品質」「丁寧な対応」「柔軟な対応」「お客様に寄り添う」「豊富な実績」などがあります。どれも企業として大切な姿勢ですし、実際にそうした強みを持っている会社も多いでしょう。

問題は、それだけでは具体的な違いが分からないことです。

たとえば、「お客様に寄り添い、丁寧に対応します」と書かれていた場合、悪い印象を持つ人は少ないと思います。

一方で、「具体的に何をしてくれるのか」と聞かれると、この文章だけでは分かりません。

そこで、もう一歩具体化して、「制作途中でも完成したページから順番に確認してもらい、ご意見を反映しながら進めます」と書かれていれば、実際の対応方法をイメージできます。

「丁寧です」と自分たちで評価するのではなく、丁寧さにつながっている実際の行動を示すという考え方です。「柔軟に対応します」であれば、どんな状況で、どこまで柔軟に対応するのか。「高品質」であれば、品質を保つためにどのような工程やチェックを行っているのか。

抽象的な言葉を使ってはいけないわけではありませんが、それだけで終わらせず、具体的な情報で裏付けることが大切です。

競合でも言える文章ばかりになっていないか

自社サイトの文章を確認するときは、一度、「この文章を競合企業のホームページにそのまま載せても成立するか」と考えてみるのも有効です。

たとえば、「お客様の課題に寄り添い、最適な提案を行います」という文章は、多くの企業に当てはまります。もちろん間違った内容ではありませんが、この文章だけでは、その会社を選ぶ判断材料にはなりにくいでしょう。

一方、「ご相談時点で完成したデザインを提示するのではなく、まず事業内容やターゲット、現在の課題を整理してからサイトの方向性を考えます」と書けば、その会社の進め方や考え方が見えてきます。

こうした情報は、競合企業がそのまま使えるとは限りません。差をつけるために特別なキャッチコピーを考えるというより、自社が実際に行っていることを具体的に言葉にしていくことが、結果的に他社との違いにつながります。

サービス内容だけでなく「選ぶための判断材料」を載せる

ホームページを見るユーザーの目的は、サービス内容を知ることだけではありません。複数の会社を比較し、「どこに相談するか」「自社に合っているか」「安心して任せられるか」を判断しようとしています。

そのため、ホームページには説明だけでなく、比較・検討するための判断材料も必要です。

たとえば、サービス紹介ページに、「ホームページを制作します」と書かれているだけでは、他社との比較は難しいでしょう。

そこに、

  • どんな企業からの相談が多いのか
  • どんな課題を得意としているのか
  • どこまで対応してもらえるのか
  • 制作中はどのように確認を進めるのか
  • 公開後はどのような支援があるのか

といった情報があれば、ユーザーは自社との相性を判断しやすくなります。

会社側としては「サービスの説明」と考えていても、ユーザー側は「この会社に頼んで大丈夫か」を見ています。この視点の違いを意識することが重要です。

実績は「件数」だけでなく中身まで伝える

「創業○年」「導入実績○社」「制作実績○件」といった数字は、企業の信頼性を伝えるうえで有効です。

ただし、競合企業にも同じような実績があれば、それだけでは違いを判断できません。そこで重要になるのが、実績の中身です。

たとえば、「100社以上を支援」という情報に加えて、「特に、専任のWeb担当者がいない中小企業からの相談が多く、公開後の更新・運用まで支援しています」と書かれていれば、どんな会社を得意としているのかが分かります。

事例紹介でも同じです。完成したデザインや成果だけを見せるのではなく、

  • 相談前にどんな課題があったのか
  • なぜその方法を選んだのか
  • どのような工夫をしたのか
  • どこまで支援したのか

まで伝えることで、その会社ならではの仕事の仕方が見えてきます。

実績は、「多いこと」を証明するだけでなく、自社がどんな仕事を得意としているのかを伝える材料として活用できます。

「誰に向いている会社なのか」を伝える

間口を広げようとすると、「業種を問わず対応可能です」「規模に関係なくご相談ください」といった表現になりがちです。

もちろん幅広く対応できることは強みです。

ただ、ユーザーの立場からすると、「幅広く対応できます」という情報だけでは、自社に向いている会社なのか判断しづらいことがあります。

そこで、「特に○○のような課題を抱えている企業からご相談いただいています」「○○を重視する企業に向いているサービスです」など、相性のよい顧客や課題を示すことで、判断しやすくなります。

これは、対応できる顧客を狭めるという話ではありません。自社が特に力を発揮しやすいケースを明らかにすることです。

ホームページで誰にでも好かれようとすると、結果として誰にも強く響かない表現になることがあります。自社に合うユーザーが「ここなら相談してみたい」と判断できる情報を用意することが大切です。

会社の「考え方」や「判断基準」も違いになる

競合との差は、サービス内容だけに表れるものではありません。むしろ、同じサービスを扱っている会社ほど、仕事をするときの判断基準に違いが出ます。

たとえば、同じホームページ制作でも、

「デザイン性を最優先する」
「社内で運用しやすいことを重視する」
「問い合わせにつながる情報設計を重視する」
「会社の考え方やブランドを丁寧に伝える」

など、会社によって優先順位は異なります。

こうした考え方がホームページから見えると、ユーザーはサービス内容以上の部分で比較できるようになります。「私たちは○○を大切にしています」と掲げるだけでなく、

「なぜそれを大切にしているのか」「その考え方が実際の提案にどう反映されるのか」まで伝えられると、より具体的です。

デザインを変える前に、まず「何が違うのか」を整理する

競合と似たようなホームページになっていると感じたとき、デザインを大きく変えようと考えることもあるでしょう。色を変える。写真を変える。動きを増やす。レイアウトを個性的にする。こうしたデザインの工夫も、会社の印象をつくるうえでは重要です。

ただし、伝える内容そのものが競合と同じであれば、見た目だけを変えても「何が違う会社なのか」は伝わりません。

ホームページを見直す際には、デザインを考える前に、

  • 顧客から何を評価されているのか
  • どんな案件を得意としているのか
  • 仕事を進めるうえで何を大切にしているのか
  • 競合と同じサービスでも、どこに違いがあるのか
  • ユーザーが会社を選ぶときに何を知りたいのか

を整理してみることが大切です。

差別化というと、「他社にはないものを見つけなければならない」と考えてしまうかもしれません。しかし、必ずしも唯一無二のサービスである必要はありません。

同じサービスでも、誰に対して、何を大切にし、どのように提供しているのかには会社ごとの違いがあります。その違いを具体的に言葉にし、ユーザーが比較するための判断材料としてホームページに掲載する。それだけでも、「どこも同じような会社に見える」という状態から一歩抜け出すことができます。

競合と無理に違って見せることよりも、まずは自社が実際にどのような会社なのかを、具体的に伝えること。ホームページをリニューアルするときには、デザインだけでなく、こうした「伝える内容」から見直してみてはいかがでしょうか。

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投稿者プロフィール

kinoshita
kinoshita
Webデザイナー。中小企業のコーポレートサイトを中心に、見た目だけでなく、情報の伝わり方や使いやすさを踏まえたデザインを担当。