既存コンテンツ 活用:アイキャッチ画像

生成AIを使えば、コラムの構成案や本文、FAQ、SNS投稿のたたき台まで、以前より短時間で作れるようになりました。

「更新したいと思っていたけれど、文章を書く時間が取れない」
「発信したいことはあるのに、テーマが思いつかない」
「担当者ごとに文章のトーンがばらついてしまう」

こうした課題に対して、AIは心強い補助役になります。

一方で、コンテンツを作るハードルが下がった今だからこそ、一度立ち止まって考えたいことがあります。それは、新しい記事やページを増やす前に、今あるコンテンツを十分に活かせているかということです。

過去に公開したコラム、サービス紹介、実績、FAQ、お知らせ。Webサイトには、すでに多くの情報が蓄積されているはずです。その中には、内容自体は今も役立つのに表現が古くなっている記事や、読まれているのに問い合わせやサービス理解につながっていないページもあるかもしれません。似たテーマの記事が増え、それぞれの違いが分かりにくくなっていることもあります。

新しいコンテンツを増やすことは大切です。ですが、既存の情報を見直し、今の事業や伝えたいことに合わせて整え直すことも、同じくらい重要です。

私たちはこの作業を、単なる更新ではなく、Webサイトの「再編集」だと考えています。

コンテンツは、公開したら終わりではない

Webサイトのコンテンツは、公開した時点では完成していても、ずっと同じ役割を果たし続けるとは限りません。

サービス内容が変わることもあります。お客様からよく受ける相談が変わることもあります。会社として、これまで以上に強く伝えたい価値が見えてくることもあります。

公開した当時には必要だった情報でも、現在の事業方針やお客様の関心と少しずつずれてくることは珍しくありません。

たとえば、以前は重要だったサービスが今は主力ではなくなっている。料金や対応範囲が変わっている。過去の実績が中心になっていて、現在の強みが十分に伝わっていない。こうした状態が続くと、サイトを訪れた人は「今のこの会社」を正しく理解しにくくなります。

また、コラムを積み重ねる中で、似たテーマを何度か扱っていることもあります。

それぞれの記事に意味があったとしても、今見直すと一つにまとめた方が分かりやすい場合があります。反対に、一つの記事に複数の話題が詰め込まれていて、テーマごとに分けた方が読者に伝わりやすくなる場合もあります。

コンテンツ運用は、記事数を増やすことだけではありません。今ある情報を見直し、役割を整理し、必要な人に届きやすい形へ整えていく。その積み重ねによって、Webサイトは少しずつ育っていきます。

AIは、新しい文章を書くためだけのものではない

AIというと、「新しい記事を書くためのツール」という印象を持つ方も多いかもしれません。もちろん、テーマ出しや構成作成、文章のたたき台づくりにAIを使うことは有効です。これまで時間がかかっていた作業を効率化し、更新のきっかけをつくることもできます。

ただ、AIの使い道は、新しい文章を書くことだけではありません。

すでにあるコンテンツを整理し、活かし直すためにもAIは役立ちます。たとえば、過去のコラムを一覧化して、それぞれがどんなテーマを扱っているのかを整理する。似た内容の記事を見つける。古い表現や現在の方針と合わない部分を洗い出す。FAQとして独立できそうな質問を見つける。関連するサービスページや実績ページへの内部リンク候補を考える。こうした作業は、AIを使うことで進めやすくなります。

しかし、AIに任せれば自動的にWebサイトが良くなるわけではありません。

AIは、与えられた情報を整理したり、文章にしたりすることは得意です。一方で、「今の事業にとって何を優先すべきか」「どの情報が自社らしさを表しているか」「どのページを残し、どこを変えるべきか」といった判断まではできません。

だからこそ、AIを使う際には、作ること以上に、見直すこと、選ぶこと、整えることが重要になります。

まず見つけたい、“再編集すべきコンテンツ”

すべてのページを一度に見直そうとすると、作業は大きくなりすぎます。

まずは、今あるコンテンツの中でも、優先度の高いものから確認していくことが現実的です。

1. 読まれているのに、次の行動につながっていない記事

検索から読まれている記事は、多くの人に見つけてもらえる入口になっています。

しかし、記事を読み終えたあとに、関連するサービスページや事例、問い合わせ先へ自然に進めない状態では、せっかくの関心を活かし切れません。

記事の内容に関連するサービスを案内する。より具体的な事例へつなぐ。よくある不安に答えるFAQを紹介する。相談や問い合わせの流れを見せる。

こうした導線を整えるだけでも、同じ記事が果たせる役割は変わります。読まれているのに成果につながっていないコンテンツは、削除するのではなく、まず「次に何を知りたくなるか」を考えて再編集することが大切です。

2. 今のサービス内容や方針とずれているページ

提供していないサービスが残っている。古い実績が中心になっている。現在は使わない表現が残っている。

こうした情報は、ユーザーを迷わせるだけでなく、会社の印象にも影響します。

内容をすべて削除する必要はありません。現在の状況に合わせて書き直す、別ページへ統合する、補足を加える、役割を変えるといった方法もあります。大切なのは、「公開時に正しかったか」ではなく、「今の自社を正しく伝えられているか」という視点です。

3. 似たテーマが分散している記事

同じようなテーマの記事が複数ある場合、それぞれの役割を整理する必要があります。

たとえば、一つの記事を基礎的な解説として残し、別の記事は実践的な方法や具体例に寄せる。複数の記事を一つにまとめて、より深い内容にする。関連記事として相互にリンクし、読者が理解を深める順番をつくる。

記事数を減らすこと自体が目的ではありません。

読者が「どの記事を読めばよいか」を判断しやすくなり、必要な情報へたどり着きやすくなることが重要です。

4. 役割が曖昧になっている実績・FAQ・お知らせ

コラムだけでなく、実績、FAQ、お知らせも再編集の対象になります。

実績ページが制作物の紹介だけで終わっている場合は、どのような課題があり、どんな考え方で提案したのかを加えることで、専門性や姿勢を伝える情報になります。

FAQも、質問と回答を並べるだけではなく、相談前の不安を減らしたり、サービス理解を深めたりする役割を持たせることができます。

お知らせについても、役割を終えたものが一覧に残り続けると、重要な情報が埋もれることがあります。今も見せるべき情報なのか、別のページにまとめるべきなのかを考えることが必要です。

再編集は、書き直しだけではない

既存コンテンツを見直すというと、本文を更新する作業を思い浮かべるかもしれません。しかし、再編集にはさまざまな方法があります。

1. 記事をFAQとして活用する

長いコラムの中にある重要な内容を、FAQとして独立させることがあります。

たとえば、「どのくらいの期間がかかるのか」「どこまで相談できるのか」「初めてでも依頼できるのか」といった疑問は、記事の一部に埋もれているよりも、FAQとして短く整理されていた方が見つけやすくなります。

過去の記事の中には、すでにFAQとして活かせる内容があるかもしれません。

2. 複数の記事を統合し、読む順番をつくる

似たテーマの記事が複数ある場合、統合することで内容を深められることがあります。

一方で、すべてを一つの記事にまとめる必要はありません。

基礎的な解説記事を入口にし、具体的な方法や事例の記事へ進めるようにすることで、読者が自分の理解度に合わせて読み進められる構造をつくれます。

再編集は、内容を減らすためだけの作業ではなく、情報の関係性を整える作業でもあります。

3. コラムの内容をサービスページへ活かす

コラムで繰り返し取り上げている内容は、実はサービスページに必要な情報かもしれません。

たとえば、よくある相談、支援の進め方、依頼前の不安、提案時に大切にしていることなどは、コラムだけでなく、サービスページに整理しておくことで、検討中の人にも伝わりやすくなります。

記事で発信した知見を、サービス理解につながる情報へ育て直す。これも再編集の一つです。

4. 実績に、課題や判断の背景を加える

実績は、制作物を並べるだけでは十分に伝わらないことがあります。

どんな課題があり、なぜその提案を選び、どのような工夫をしたのか。こうした背景を加えることで、実績は単なるポートフォリオではなく、企業の考え方や専門性を伝えるコンテンツになります。

特に、AIによって一般的な情報が増えやすい今は、実際の経験や判断の背景といった一次情報が、他社との差別化につながります。

5. 古い記事に、今の視点を加える

数年前に書いた記事でも、すべてが古くなるわけではありません。

当時の考え方を残しながら、今の状況に合わせた補足を加えることで、記事をより深い内容に育てることができます。

情報を更新することは、過去を否定することではありません。今の自社や現在の読者に合うように、情報をつなぎ直すことです。

AIに任せすぎると、自社らしさが薄くなることもある

AIを使えば、文章は整います。見出しも作れます。分かりやすい表現の候補も出してくれます。

ただし、AIが出した文章をそのまま使うだけでは、どこかで読んだような内容になってしまうことがあります。

その理由は、AIが一般的に分かりやすい答えを出すことは得意でも、自社だけが持つ経験や判断の背景まで自動的に補えるわけではないからです。

実際にどのような相談を受けているのか。
どんな場面でお客様が迷いやすいのか。
何を優先し、何をあえて提案しないのか。
これまでの制作や運用の中で、どんな課題に向き合ってきたのか。

こうした情報は、その会社の中にしかありません。

ブリッジでは、Webサイトをつくる際、デザインや文章だけを切り離して考えるのではなく、その会社の強みや考え方、事業の背景まで整理することを大切にしています。

見た目を整えるだけでは、伝わらないことがあります。検索で見つけてもらうだけでも、選ばれるとは限りません。

だからこそ、企業が大切にしていることや、他社とは異なる視点を、情報としてきちんと形にする必要があります。

AIは、そのための作業を助けてくれる道具です。

しかし、何を伝えるのか、どの言葉を選ぶのか、どこまでを約束として示すのかを決めるのは、人であるべきだと考えています。

コンテンツは、増やすものではなく、育てるもの

Webサイトのコンテンツは、一度公開して終わりではありません。

事業が変わり、ユーザーの関心が変わり、会社として伝えたいことが深まるたびに、少しずつ見直していく必要があります。

新しい記事を追加すること。
古い記事を更新すること。
複数の記事を統合すること。
サービスページへ情報を移すこと。
導線を整えること。
自社らしい言葉に書き換えること。

こうした一つひとつの再編集が、Webサイト全体の質を高めていきます。

AIによってコンテンツ制作のスピードが上がった今だからこそ、量を増やすことだけを目的にするのではなく、今ある情報をどう活かすかを考えることが大切です。

ブリッジでは、新しいページを増やすことだけではなく、既存コンテンツの整理、役割の見直し、導線設計、言葉の整え直しまで含めて、Webサイト全体を育てるお手伝いをしています。

まずは、今あるコンテンツを見直すことから。

そこにある情報を活かし直すことで、Webサイトはより分かりやすく、より自社らしく、そして必要な人に届く場所へ変わっていきます。

投稿者プロフィール

kinoshita
kinoshita
Webデザイナー。中小企業のコーポレートサイトを中心に、見た目だけでなく、情報の伝わり方や使いやすさを踏まえたデザインを担当。