Web制作会社との初回打ち合わせでは何を話すの?

Webサイトの制作やリニューアルを検討し、制作会社へ問い合わせると、多くの場合は最初に打ち合わせが行われます。

けれど、初めてWebサイト制作を依頼する方にとっては、

「何を聞かれるのだろう」
「どこまで決めておけばよいのだろう」
「うまく説明できる自信がない」

と、不安を感じることもあるでしょう。

初回打ち合わせは、完成した要望を制作会社へ伝えるための場ではありません。制作の背景や現在の困りごとを共有し、何をつくるべきかを一緒に整理するための時間です。

この記事でわかること

Web制作会社との初回打ち合わせでは、サイトをつくる背景、現在の課題、実現したいこと、想定している利用者、予算やスケジュールなどを話します。ページ構成やデザイン、原稿まで決めておく必要はありません。まだ決まっていないことも含めて相談し、制作会社と一緒にプロジェクトの方向性を整理することが大切です。

初回打ち合わせは、要望を確定する場ではない

Web制作会社へ相談する前に、必要なページや掲載する内容を決めなければならないと思っている方もいます。

しかし、初回打ち合わせの段階では、

「サイトが古くなってきた」
「サービスのよさが伝わっていない」
「問い合わせを増やしたい」
「何を載せればよいのかわからない」

といった状態でも問題ありません。

むしろ、そのような漠然とした悩みの背景を確認し、何が問題なのかを整理することも、制作会社の役割のひとつです。

「リニューアルしたい」という要望が同じでも、必要な対応は企業によって異なります。デザインを変えるだけでよい場合もあれば、サービスの整理や強みの言語化、サイト構成の見直しから必要になる場合もあります。

初回打ち合わせでは、つくりたいものだけでなく、なぜつくろうとしているのかを共有することが重要です。

初回打ち合わせで話す主な内容

Webサイトを制作・リニューアルする背景

まず確認されるのは、Webサイトの制作やリニューアルを検討したきっかけです。

たとえば、次のような背景が考えられます。

  • 現在のサイトが古くなっている
  • 事業内容が変わり、掲載情報と実態が合わなくなった
  • 新しいサービスを始める
  • 問い合わせや採用応募を増やしたい
  • 自社の強みが伝わっていない
  • 社内でサイトを更新しにくい
  • 経営方針やブランドの変更を反映したい

きっかけを共有すると、今回のプロジェクトで優先すべきことが見えやすくなります。

会社や事業について

Webサイトは、会社や事業の内容を外部の人へ伝えるものです。そのため、制作会社はサイトの話だけでなく、会社そのものについても質問します。

主な内容は、事業の仕組み、提供している商品やサービス、顧客、競合との違い、営業方法などです。

この段階で、きれいに説明できる必要はありません。社内では当たり前になっていることや、普段の商談で顧客に伝えていることの中に、その会社ならではの強みが隠れていることもあります。

制作会社との会話を通して、これまで明確になっていなかった価値が整理されることもあります。

現在感じている問題

既存サイトがある場合は、現在どのような問題を感じているかを話します。

「問い合わせが少ない」「目的のページを見つけにくい」「原稿がわかりにくい」といった具体的な問題だけでなく、「なんとなく会社の実態と合っていない」という感覚でも構いません。

問題の原因まで自社で特定する必要はありません。

たとえば、問い合わせが少ない原因は、アクセス数だけにあるとは限りません。サービスの違いが伝わっていない、問い合わせまでの導線が弱い、必要な判断材料が不足しているなど、複数の原因が考えられます。

制作会社は、共有された状況をもとに、どこに問題がありそうかを検討します。

Webサイトで実現したいこと

次に、Webサイトを通してどのような状態をつくりたいのかを確認します。

「問い合わせを増やしたい」という目標だけでなく、

  • 会社の信頼性を伝えたい
  • サービスの違いを理解してもらいたい
  • 営業時の説明をしやすくしたい
  • 採用候補者に会社の雰囲気を伝えたい
  • 必要な情報を顧客自身で確認できるようにしたい

といった目的も考えられます。

目的が複数ある場合は、どれを優先するのかも重要です。すべてを同じ強さで伝えようとすると、かえって何のためのサイトなのかわかりにくくなることがあります。

誰に見てもらいたいのか

Webサイトを主に利用する人についても話します。

法人向けのサイトであれば、経営者、発注担当者、現場の担当者など、立場によって知りたい情報が異なります。大学や医療機関のサイトでも、学生、保護者、患者、医療関係者など、利用者ごとに必要な情報は変わります。

想定する利用者を整理することで、必要なページや情報、説明する順番を考えやすくなります。

明確な人物像まで決まっていなくても、「現在どのような顧客が多いか」「今後どのような相手に選ばれたいか」を伝えれば、検討の出発点になります。

制作を依頼したい範囲

Webサイト制作には、構成、原稿、写真撮影、デザイン、システム開発など、さまざまな工程があります。

初回打ち合わせでは、自社で対応できることと、制作会社へ依頼したいことを確認します。

特に原稿については、最初から用意されているとは限りません。自社で書くのか、制作会社が取材して作成するのか、両者で分担するのかによって、進め方や費用が変わります。

まだ決められない場合は、「何を依頼すべきかわからない」と率直に伝えて問題ありません。必要な作業を整理したうえで、役割分担を決めていきます。

予算とスケジュール

予算と公開希望時期も、初回打ち合わせで確認されることが多い項目です。

予算を伝えるのは、その金額いっぱいまで使うためではありません。限られた条件の中で、どこまで対応できるかを判断するためです。

予算が決まっていない場合は、未定であることを伝えても構いません。ただし、おおよその上限や社内で想定している範囲があれば、提案内容とのずれを減らせます。

公開時期についても、希望の理由を共有することが大切です。新サービスの開始、採用活動、イベント、年度の切り替えなど、動かせない予定がある場合は早めに伝えます。

社内の確認体制

Webサイト制作では、誰が確認し、誰が最終的に判断するのかによって進行が大きく変わります。

担当者だけで進められるのか、経営者や各部署の確認が必要なのか、社内で意見をまとめる人は誰なのかを確認しておくと、制作途中での手戻りを防ぎやすくなります。

初回打ち合わせに決裁者が参加できない場合でも、どの段階で誰の確認が必要になるかを共有しておくと、その後の進行がスムーズになります。

初回打ち合わせ前に準備しておくとよいもの

詳細な企画書や仕様書をつくる必要はありませんが、次のような情報があると話を進めやすくなります。

  • 現在のWebサイトのURL
  • 会社案内や営業資料
  • 商品・サービスに関する資料
  • 制作やリニューアルを考えたきっかけ
  • 現在困っていること
  • 公開したい時期
  • 想定している予算
  • 参考にしているWebサイト

参考サイトを共有する場合は、「このサイトのようにしたい」だけでなく、どこがよいと感じたのかも伝えると意図が伝わりやすくなります。

デザインの雰囲気がよいのか、情報が探しやすいのか、文章がわかりやすいのかによって、制作会社が受け取る意味は変わります。

何も決まっていなくても相談できる

初めてWebサイト制作を担当する場合、自社だけで適切な構成を考えるのは簡単ではありません。

大切なのは、わからないことを無理に決めることではなく、現在わかっていることと、まだ決まっていないことを分けて伝えることです。

制作会社との打ち合わせを通して、

  • 今回の制作で解決したい問題
  • Webサイトの目的
  • 主な利用者
  • 必要な情報や機能
  • 自社と制作会社の役割
  • 予算とスケジュール

を整理できれば、次の提案や見積へ進みやすくなります。

初回打ち合わせでは、制作会社の進め方も確認する

初回打ち合わせは、制作会社が依頼内容を確認するだけの場ではありません。依頼する側が、制作会社の考え方や進め方を確認する機会でもあります。

会社や事業について丁寧に質問しているか、曖昧な要望をそのまま受け取らず背景まで確認しているか、専門用語を使わず説明してくれるかなどを見ると、その後の進め方を想像しやすくなります。

また、打ち合わせ後に何が提示されるのかも確認しておきましょう。提案書や見積書が出るのか、追加のヒアリングが必要なのか、いつまでに連絡があるのかが明確になっていると安心です。

デザインの好みだけでなく、事業を理解しようとする姿勢や、決まっていないことを整理する力も、制作会社を選ぶうえで重要な判断材料になります。

初回打ち合わせは、何をつくるべきかを整理する時間

繰り返しになりますが、Web制作会社との初回打ち合わせで、完成した答えを用意する必要はありません。

制作を考えた背景、現在の困りごと、今後実現したいことを話しながら、Webサイトに必要な役割や内容を整理していく時間です。

ブリッジでは、あらかじめ決められた要件を形にするだけでなく、会社や事業の強みを整理し、誰に、何を、どの順番で伝えるべきかを考えるところから支援しています。

何をつくるべきか決まっていない段階でも、現在の状況をお聞きしながら、一緒に整理することができます。

Webサイト制作を、伝える前の整理から。

ブリッジでは、会社や事業の強みを整理し、誰に、何を、どの順番で伝えるべきかを考えるところから、サイト構成、原稿、デザイン、実装まで一貫して支援しています。

何をつくるべきか決まっていない段階でも、現在の状況をお聞きしながら、Webサイトの目的と必要な内容を一緒に整理します。

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投稿者プロフィール

橋本敬(はしもとたかし)
橋本敬(はしもとたかし)
プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。企業とユーザーの文脈設計を得意としている。公益財団法人画像情報教育振興協会委員