ホームページの原稿は誰が書く?

ホームページを制作するとき、意外と大きな負担になるのが原稿の準備です。

どのページに、何を書けばよいのか。社内の誰が書くのか。制作会社は、どこまで対応してくれるのか。デザインやシステムの話は進んでいるのに、原稿が揃わず、制作が止まってしまうことも珍しくありません。

ホームページの原稿は、自社で用意する方法と、制作会社やライターに依頼する方法があります。どちらが正しいということではなく、自社の体制や、制作会社が対応する範囲によって適した進め方は異なります。

この記事では、それぞれの違いと、原稿を準備するときに確認しておきたいことを解説します。

ホームページの原稿は誰が書くもの?

ホームページの原稿を誰が書くかについて、決まったルールはありません。

一般的には、次のような方法があります。

  • 自社の担当者が原稿を書く
  • 各部門に原稿の作成を依頼する
  • 制作会社がヒアリングをもとに作成する
  • 外部のライターに依頼する
  • 自社で素材を用意し、制作会社が構成や表現を整える

制作会社によって対応範囲は異なります。

見積もりに「原稿支給」と書かれている場合は、基本的に自社で完成した原稿を用意する必要があります。一方、「原稿作成」「コピーライティング」「取材・ライティング」などが含まれている場合は、制作会社側に依頼できます。

ただし、制作会社に依頼する場合でも、すべてを任せれば何も準備しなくてよいわけではありません。事業内容や商品の特徴、顧客からよく聞かれる質問など、原稿のもとになる情報は自社から提供する必要があります。

原稿がないとホームページ制作は進まない

ホームページ制作では、原稿はデザインにはめ込むためだけの文章ではありません。

何を、誰に、どの順番で伝えるかによって、ページの構成やデザインも変わります。文章の量によって必要なページ数やレイアウトも変わるため、本来はデザインより前に内容を整理しておく必要があります。

原稿が決まっていないままデザインを先に作ると、後から文章が入りきらなくなったり、重要な情報を追加するためにレイアウトを変更したりすることがあります。

「デザインができてから文章を考える」のではなく、伝える内容を整理し、その内容に合ったデザインを考えるのが基本的な順番です。

自社で原稿を用意する場合

自社で原稿を用意するメリットは、事業や商品について詳しい人が直接書けることです。

専門的な情報を正確に伝えやすく、社内で使っている言葉や営業現場での説明も反映できます。外部への原稿作成費も抑えられます。

一方で、自社で原稿を書く場合には、いくつか注意点があります。

社内では当たり前のことが省略されやすい

事業に詳しい人ほど、顧客が何を知らないのかを想像しにくくなります。

専門用語を説明せずに使ったり、サービスの利用方法や依頼の流れを省略したりすると、初めてホームページを訪れた人には内容が伝わりません。

社内で理解できる文章と、顧客が理解できる文章は同じではありません。顧客が何を知り、何を判断するためのページなのかを考えて書く必要があります。

自社の強みを具体的に書きにくい

「高品質なサービス」「丁寧な対応」「お客様に寄り添う」といった表現は、多くの会社に当てはまります。

自社では強みだと考えていても、それだけでは他社との違いが伝わりません。

なぜその対応ができるのか。具体的に何をしているのか。顧客にどのような違いが生まれるのか。実績や事例によって説明できるのか。こうしたところまで掘り下げる必要があります。

担当者だけでは判断できないことがある

会社概要は総務、サービス内容は営業部門、採用情報は人事部門というように、ホームページに必要な情報は社内の複数部門に分かれています。

担当者が一人で原稿を書こうとしても、必要な情報を持っていないことがあります。また、経営者や各部門への確認に時間がかかり、原稿作成が予定どおり進まないこともあります。

自社で原稿を用意する場合は、誰が書くかだけでなく、誰が情報を提供し、誰が最終確認をするかまで決めておくことが大切です。

制作会社に原稿作成を依頼する場合

制作会社に原稿作成を依頼すると、第三者の視点から情報を整理してもらえます。

自社では当たり前になっている特徴を見つけたり、専門的な内容を顧客に伝わる言葉へ置き換えたりできることがメリットです。ページごとの役割を考えながら文章を作成するため、サイト全体の構成にも一貫性を持たせやすくなります。

担当者が一から文章を書く必要がなくなるため、社内の負担も軽減できます。

ただし、制作会社によって原稿作成の進め方や品質には違いがあります。

渡した資料を文章にするだけの場合もある

原稿作成に対応している制作会社でも、既存の会社案内や営業資料をもとに文章を整えるだけの場合があります。

すでに情報が整理されている会社であれば、それでも問題はありません。しかし、サービスの特徴が曖昧な場合や、自社の強みをうまく説明できていない場合は、資料を書き直すだけでは十分な原稿になりません。

必要なのは、文章を書くことよりも前に、何を伝えるべきかを整理することです。

取材やヒアリングの範囲を確認する

原稿作成を依頼するときは、誰に、何回、どのくらいの時間ヒアリングをするのかを確認しましょう。

担当者への簡単な確認だけなのか、経営者や営業担当者にも取材するのかによって、得られる情報は変わります。

特に、顧客から選ばれている理由は、経営者が考えている強みだけではなく、営業現場や既存顧客とのやり取りの中に隠れていることがあります。

修正回数や確認方法も確認する

原稿作成費に含まれるページ数、文字量、修正回数、取材費なども制作会社によって異なります。

原稿は誰が確認し、どの段階で確定するのか。写真や図表に必要な情報は誰が用意するのか。専門的な内容の正確性を誰が確認するのか。契約前に役割分担を明確にしておくと、制作中の行き違いを防げます。

制作会社に依頼しても、自社にしか出せない情報がある

制作会社は、外部の視点から情報を整理し、顧客に伝わる文章を作ることができます。しかし、事業について最も詳しいのは自社です。

たとえば、次のような情報は自社から提供する必要があります。

  • 顧客からよく相談されること
  • 商談でよく聞かれる質問
  • 他社ではなく自社が選ばれた理由
  • 実際の仕事の進め方
  • 過去の事例や成果
  • 対応できることと、できないこと
  • 経営者や現場の担当者が大切にしていること

会社案内やパンフレットがなくても、営業資料、提案書、過去のメール、よくある質問、採用資料などが原稿の材料になります。

制作会社に依頼する場合は、完成した文章を渡す必要はありません。箇条書きや既存資料でもよいので、自社にしか分からない情報を提供することが重要です。

おすすめは、自社が情報を出し、制作会社が整理して書く方法

自社と制作会社のどちらか一方だけで原稿を完成させるのではなく、役割を分ける方法もあります。

自社は、事業に関する事実や顧客の情報、実績、現場で使っている説明を提供します。制作会社は、それらをヒアリングし、顧客が理解しやすい順番に整理して文章にします。

この方法であれば、自社の専門性や事業への理解を生かしながら、社内の言葉に偏りすぎない原稿を作れます。

特に、次のような場合は制作会社と一緒に原稿を作る方法が向いています。

  • 自社の強みをうまく説明できない
  • サービス内容が複雑で、短くまとめられない
  • 部門ごとに説明が異なっている
  • 既存サイトの文章が抽象的になっている
  • 顧客に何を伝えるべきか決まっていない
  • 原稿を書く時間や担当者を確保できない

反対に、掲載する内容がすでに整理され、社内に文章を書ける担当者がいる場合は、自社で原稿を作成しても問題ありません。その場合も、制作会社に構成や文章量を確認してから書き始めると、手戻りを減らせます。

原稿作成の前に整理したいこと

原稿を書く前に、まずホームページの目的と対象を確認します。

誰に見てもらいたいのか。訪問した人に何を理解してほしいのか。問い合わせ、資料請求、採用応募など、どのような行動につなげたいのか。

そのうえで、各ページに必要な情報を決めます。

会社が伝えたいことをそのまま並べるだけでは、訪問者にとって分かりやすいホームページにはなりません。訪問者が抱えている疑問に対して、理解しやすく、判断しやすい順番で情報を配置する必要があります。

強みやサービス内容が整理されていない状態で書き始めると、何度書き直しても抽象的な原稿になりがちです。

原稿作成は、文章表現だけの問題ではありません。自社が誰に、どのような価値を提供しているのかを整理する作業でもあります。

まとめ

ホームページの原稿は、自社でも制作会社でも作成できます。

自社で用意する場合は、事業への理解や情報の正確さを反映しやすい一方で、社内の視点に偏ったり、強みを具体的に説明できなかったりすることがあります。

制作会社に依頼する場合は、第三者の視点から情報を整理できますが、対応範囲やヒアリングの方法は会社によって異なります。「原稿作成」が見積もりに含まれているかだけでなく、伝える内容を整理するところから支援してもらえるかを確認することが大切です。

ブリッジでは原稿を書く前に、強みやサービス内容を整理するところから一緒に進めています。伝えるべきことがまだ固まっていない段階でも、ヒアリングを通じて情報を整理し、サイト構成から原稿、デザイン、実装まで一貫して支援しています。

Webサイト制作について相談する

ブリッジのWebサイト制作・ホームページ制作では、原稿を書く前に、強みやサービス内容を整理するところから一緒に進めています。伝えるべきことがまだ固まっていない段階でも、ヒアリングを通じて情報を整理し、サイト構成から原稿、デザイン、実装まで一貫して支援しています。

Webサイト制作について見る

合わせて読みたい

投稿者プロフィール

橋本敬(はしもとたかし)
橋本敬(はしもとたかし)
プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。企業とユーザーの文脈設計を得意としている。公益財団法人画像情報教育振興協会委員