橋本です。
webサイトをビジネスの中で戦略的に活用するには、ターゲットとポジショニングを明確にすることが求められます。ターゲットが何を求め、何を基準に商品やサービスを選ぶのかがわからなければ、どんなメッセージを発信すれば良いかがわかりません。
ホームページにキーワード対策をする際に「キーワードがわからない」といった相談を受けることがありますが、こうした悩みの原因は、本当にわからないのはキーワードではなく、ターゲットがわかっていないことにあると考えることができます。
ターゲットとポジショニング
うまく機能していないwebサイトやホームページの課題を紐解いていくと、ターゲットの範囲が広過ぎたり、自社がマーケットの中でどういうポジションをとるのかが曖昧なケースがあります。
ユーザーは検索によって情報を探しますが、複数のワードによる絞り込みをかけないと自分が欲している情報にたどり着くことは不可能です。だから何かしらのワードの組み合わせで検索をかけることになるのですが、その検索意図に応じたコンテンツを用意してサイトに誘導をするというのがコンテンツマーケティングの基本的な考え方です。
ターゲットやポジショニングが明確になっていないと、ユーザーがどのようなワードで絞り込みをかけるのかがわからないので、アクセスを集めるコンテンツを用意することは不可能です。キーワードを頼りにアクセスを集められたとしても検索意図とコンテンツとのズレが生じ、結果として選んでもらうことができないといったことも起こります。
また、意外にも多いのが「思い込み」や「勘違い」によるターゲットやポジショニングのズレです。自社のイメージする顧客像がマーケットの変化に合わせてアップデートされず、現実と解離してしまっているようなケースです。
これらを取り除いて、ターゲットをある程度まで絞り込み、自社や商品・サービスのポジションを改めて定義し直すことで、サイトの構造やページの内容やメッセージが整理され、うまく回り出すこともあります。
先日、古田が3Cについて書いたこちらの記事もターゲットや自社のポジションを見直すヒントになるでしょう。
ターゲットとポジショニングを明確にするには、自社の商品やサービスはどんな顧客のどんな課題を解決するために存在するのか、なぜ、顧客はその商品を選ぶのかを問い直せば、おおよその答えが得られますす。逆に商品やサービスの存在意義を定義できないとしたら、それはwebサイトの施策以前に解決すべき課題があるということになります。
選ばれる理由と選ばれない理由
ターゲットとポジショニングを決めることは、「選ばれる理由」をつくるベースになります。そして、選ばれる理由をつくるということは、結果として選ばれない理由をつくることにもなります。
ターゲットを絞ることは機会の損失ではないかと言われることもありますが、逆です。ターゲットを絞らなければ機会を得ることはできません。誰にでも当てはまるメッセージは自分ごと化されないので、誰の心も動かすことはできないのです。
例えば、中小企業に向けたメッセージを発信すれば大企業がサービスを選ぶ観点からは外れたメッセージになるかもしれませんし、BtoBの企業向けのサービスを謳えばBtoC向けの企業は自分たちに向けたものではないと感じるでしょう。
安ければ安いほどいいという顧客もいれば、クオリティを重視した上で妥当な対価であれば問題ないと考える顧客もいます。
ターゲットによって価値観や評価軸が違うので、何が選ばれる理由になるのかを考えてコンテンツに反映していくことになります。
ロジカルシンキングとラテラルシンキング
検索によって情報を探すということは目的がはっきりしているということです。
その目的を理解したうえで、ターゲットに対して何を語りかけ、何を見せれば良いのかを考えることがサイト設計や情報設計、コンテンツづくりの最初の一歩であり、アクセス状況やマーケットの動向を見ながら継続的に改善をかけていくのがwebマーケティングの基本です。
とはいえ、webマーケティング活動の中では、既成概念やデータをもとに筋道をたててロジカルに考えるだけでは他社との違いをつくることが難しくなってきています。正解を突き詰めていくと、常識や共通認識の中でしか発想ができません。
そこで、ユーザー視点をもとに水平方向(ラテラル)に発想を広げていくこともまた重要になってきます。
ターゲットが明確になっていないとロジカルに考えることはできませんし、ラテラルシンキングは明後日の方向に向かってしまう可能性もあります。
どんな時もまずはターゲットを考え、どんなポジショニングをとるかを決めることからです。
投稿者プロフィール
- プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。徹底的なユーザー視点でのWEBサイトの構築やコンテンツ制作を通じて事業課題の解決を支援している。
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