
Webサイトに記事を増やしているのに、思うように読まれない。検索キーワードを意識して書いているのに、問い合わせや相談につながらない。
そんな相談を受けることがあるのですが、ほとんどの場合、文書くという行為よりも前の工程に原因があると考えています。
Webコンテンツ制作で大切なのは、いきなり書きはじめるのではなく、最初に設計をすることです。
- 誰に読んでほしいのか
- その人は何を知りたくて情報を探しているのか
- 企業として、何を伝えたいのか
これらを整理し、読者の関心と企業の価値をつなぐことが、コンテンツ制作の出発点だと私たちは考えています。
この記事では、Webサイトの記事や読み物をつくるときに考えておきたい、コンテンツ制作の基本的な進め方を紹介します。
Webコンテンツ制作は、情報を増やすことではない
Webコンテンツ制作というと、検索キーワードに合わせてページをつくること、記事を増やすこと、商品やサービスの説明を追加することを思い浮かべるかもしれません。
もちろん、情報量は大切です。
しかし、情報を増やせば読まれるわけではありません。
読者が知りたいことと関係のない情報は、どれだけ丁寧に書かれていても届きません。
反対に、企業が本当に伝えるべきことが抜けていれば、読まれても選ばれる理由にはなりません。
Webサイトのコンテンツは、単なる情報の置き場ではありません。読者の疑問や関心に応えながら、企業の価値や考え方を伝えるための接点です。
そのためには、書く前に「誰に、何を、どのような文脈で伝えるのか」を考える必要があります。
誰に、どの段階の人に向けて書くのか
コンテンツ制作の最初に考えるべきことは、誰に向けて書くのかです。
ただし、年齢や性別だけを細かく設定すればよいわけではありません。大切なのは、その人がどのような立場で、何に困っていて、何を判断しようとしているのかを考えることです。
たとえば、同じ「ホームページリニューアル」について調べている人でも、状況はさまざまです。
- 課題を整理している段階の人
- 上司の指示で依頼先の情報を集めている人
- 制作会社を比較している人
同じテーマでも、読者の状況が違えば、必要な情報は変わります。
基礎知識を知りたい人に、いきなりサービス紹介をしても早すぎます。
反対に、依頼先を探している人に一般論だけを説明しても、判断材料としては物足りません。
その人は、なぜその情報を探しているのか。
どこまで理解していて、何を判断したいのか。
これらを考えることで、記事に書くべき内容、説明の深さ、言葉の選び方が見えてきます。
企業が伝えたいことを、そのまま書かない
企業には、伝えたいことがあります。
- 自社の強み
- サービスの特徴
- これまでの実績
- 大切にしている考え方
- 他社との違い
どれも重要です。しかし、企業が伝えたいことをそのまま並べても、読者に届くとは限りません。
読者が見ているのは、「この会社は何をしているか」だけではありません。
- 自社の課題を解決できそうか
- 自分たちの状況を理解してくれそうか
- 会社として信頼できそうか
- 依頼したあとに、どのような進め方になるのか
そうしたことを確認しながら読んでいます。
つまり、企業が伝えたいことは、読者の関心につながってはじめて意味を持ちます。
「私たちはこれができます」と書くのではなく、「このような課題があるときに、私たちはこう考えます」と伝える。
それだけで、コンテンツの届き方は変わります。
読者の知りたいことと、企業の伝えたいことをつなぐ
コンテンツ制作で大切なのは、読者が知りたいことを入口にしながら、企業の価値や考え方へ自然につなげていくことです。
たとえば、読者が「ホームページに何を載せればいいのか」を知りたいとします。そのときに、掲載項目を一覧で紹介するだけでも、情報としては役に立つかもしれません。
しかし、それだけでは、情報提供で終わってしまい、選ばれるための「その会社らしさ」や「考え方」までは伝わりません。
読者の疑問に答えながら、企業の考え方や価値が伝わるように構成する。それが、Webコンテンツを制作するにあたって外してはいけないポイントだと私たちは考えています。
Webコンテンツ制作の基本的な流れ
Webコンテンツ制作は、次のような流れで進めます。
1. 目的を決める
まず、そのコンテンツを何のためにつくるのかを決めます。
- 検索流入を増やしたいのか
- サービス理解を深めたいのか
- 問い合わせ前の不安を減らしたいのか
- 営業資料の代わりとして使いたいのか
- 既存顧客への説明に使いたいのか
目的があいまいなまま書きはじめると、記事の着地点もあいまいになります。
コンテンツの目的は、必ずしも「問い合わせを増やすこと」だけではありません。読者の理解を深めること、比較検討を助けること、会社の考え方を伝えることも重要な役割です。
2. 読者と閲覧文脈を整理する
次に、誰に読んでほしいのかを整理します。このとき大切なのは、属性よりも状況です。
性別や年齢、趣味や価値観などのペルソナをつくって読者像を固めていく方法を目にします。読者像をつくることでイメージしやすくなるのかもしれません。ですが、属性では、読者が本当に求めているものは何か、どのような欲求を持っているのかなどを深掘りすることができません。
そこで、私たちは、読者がどのような状況におかれていて、どのような文脈でサイトを訪問するのかを整理します。
- どのような課題を持っているのか
- どの段階で情報を探しているのか
- 何を判断するために読んでいるのか
読者の状況を考えることで、記事に必要な内容が見えてきます。
3. 読者の疑問を洗い出す
読者が知りたいことを洗い出します。
たとえば、サービス紹介の記事であれば、読者は次のようなことを知りたいかもしれません。
- どんなサービスを提供してくれるのか
- スケジュールはどのくらいかかるのか
- 費用はどのくらいか
- どのような流れで進むのか
- 自社のようなケースにも対応できるのか
こうした疑問に答えることで、記事は読者にとって意味のあるものになります。
4. 企業として伝えたいことを整理する
読者の疑問を整理したら、企業として伝えたいことを考えます。
- 自社が大切にしている考え方
- 他社と違う進め方
- 得意な領域
- 過去の経験から言えること
- あえてやらないこと
これらを整理しておくことで、記事が単なる一般論になりにくくなります。
検索すれば出てくる情報だけをまとめても、選ばれる理由にはなりません。その会社だから言えること、その会社がどう考えているかを入れることで、コンテンツに独自性が生まれます。
5. 記事の構成をつくる
いきなり本文を書くのではなく、先に構成をつくります。
例えば、次のようなことを整理すると良いでしょう。
- どの順番で説明すれば、読者が理解しやすいか
- どこで疑問に答えるか
- どこで自社の考え方を伝えるか
- 最後にどのような行動につなげるか
構成を決めずに書きはじめると、情報が散らばりやすくなります。
コンテンツ制作では、文章力もさることながら、最初の設計が大切です。
何を、どの順番で、どの深さで伝えるか。
そこを決めることで、読みやすく、伝わりやすい記事になります。
6. 本文を書く
構成ができたら、本文を書いていきます。
本文を書くときは、企業側の言葉だけにならないように注意します。
- 専門用語を使いすぎていないか
- 読者の疑問に答えているか
- 結論がわかりやすいか
- 読み終えたあとに、どのような行動をとって欲しいのか
Webコンテンツでは、正確さだけでなく、読み進めやすさも大切です。
特にBtoBのコンテンツでは、説明が硬くなりがちです。事実を伝えるだけでなく、不安を減らし、判断しやすくすることを意識して書く必要があります。
7. 公開後に見直す
コンテンツは、公開して終わりではありません。
- どのくらい読まれているか
- どのページから流入しているか
- どこで離脱しているか
- 問い合わせや他ページへの移動につながっているか
公開後の動きを見ながら、必要に応じて見直します。
読まれていない場合は、タイトルや導入がずれているかもしれません。
読まれているのに行動につながらない場合は、記事の着地点や導線に課題があるかもしれません。
検索されているのにクリックされない場合は、SEOタイトルやディスクリプションの見直しが必要かもしれません。
コンテンツは、一度つくって終わるものではなく、公開後に見直し、育てていくものです。
コンテンツ制作でよくある失敗
Webコンテンツ制作では、次のような失敗がよくあります。
書くことが目的になっている
記事を増やすこと自体が目的になると、誰に何を伝えるための記事なのかが曖昧になります。更新頻度は大切ですが、読者にとって意味のない記事、自社にとって意味のない記事を増やしても、望むような結果にはつながりません。
ありがちなのが、自社のビジネスやサービスに関連性があるけれど、成果につながらないテーマでページをつくってしまうことです。
例えば、「画像を軽くする方法」のようなテーマは、企業のWeb担当者、同業他社やフリーランスのデザイナー、Web制作を勉強している人が欲している情報です。しかし、このテーマでサイトにアクセスを集めても、私たちのサービスを検討してくれるであろう読者層ではないため、意味のない記事ということになってしまいます。
結果として、さまざまな人に役立つ情報となり集客につながることはあります。ですが、このようなテーマは、狙ってつくるべきコンテンツではないと考えます。
検索キーワードだけで考えている
SEOを意識することは大切です。しかし、検索キーワードだけで記事をつくると、どこかで見たような内容になりがちです。
検索される情報であることと、選ばれる理由になることは同じではありません。
キーワードを入口にしながら、自社の考え方や経験にどうつなげるかを考える必要があります。
企業が言いたいことだけを書いている
サービスの特徴や実績を伝えることは大切です。しかし、読者の関心とつながらなければ、ただの売り込みに見えてしまいます。
読者が知りたいことに答えながら、自然に企業の価値が伝わる構成にすることが大切です。
読み終えたあとに何をすればいいかわからない
記事を読んだあとにとって欲しい行動を伝えないと、読者はそのまま離脱してしまいがちです。
- 別の記事も読んで欲しい
- 問い合わせをして欲しい
- 関連するサービスページを見て欲しい
など、次にとって欲しい行動を示して導線を用意しないと、せっかく読んでもらったのに、そこで終わってしまいます。
コンテンツ制作では、記事単体だけでなく、サイト全体の中での役割も考える必要があります。
読まれるコンテンツは、書く前に決まる
Webコンテンツ制作では、文章を書く前に考えることがたくさんあります。
最後に記事を書くにあたって考えるべきことをまとめます。
- 誰に向けて書くのか
- その人は何を知りたいのか
- 企業として何を伝えたいのか
- どの順番で伝えれば理解しやすいのか
- 読み終えたあとに、どのような行動につなげるのか
これらを整理することで、コンテンツは単なる情報ではなく、顧客との接点になります。
読まれる記事は、文章の表現だけで決まるわけではありません。書く前の設計で、伝わり方は大きく変わります。
ブリッジでは、Webサイトやコンテンツ制作において、伝えるべき内容の整理から、構成、文章、写真、動画などの企画・制作まで支援しています。自社の価値をどのように伝えればよいかを整理したい方は、コンテンツ制作のページもご覧ください。
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投稿者プロフィール

- プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。企業とユーザーの文脈設計を得意としている。公益財団法人画像情報教育振興協会委員
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