デザインにおける配色の考え方

配色はデザインの要素の中でも特にわかりやすく印象を左右するものです。

それだけに、WEBサイト制作やパワーポイントの資料作成をする際などの配色は悩むことも多いかと思います。

今回は、

  • デザインや資料作成でいつも配色に悩む
  • 見やすくしようと思って色を使った結果ごちゃっとして見づらくなった
  • 思っていた印象にならない、なんかピンとこない

という方に向けて少しでも参考になればと思い、配色を決めるときの考え方について書いています。

色があたえる印象やその影響

赤は熱い、青はクール、紫は怪しい、など、それぞれの色にはイメージがあると思います。もちろん、人や環境、国によって違う部分はありますが、ある程度同じような認識は共有しています。

スーパーの特売のチラシやポストに入っている水道工事のチラシを思い出してみてください。

特売のチラシには、赤や黄色の文字、いろんな商品の写真。
水色と黄色の中に、ピンクで書かれた電話番号。
など、どんなデザイン・配色だったかぼんやりイメージができると思います。

これらをぱっと見たときの印象としては「お得そう!」「早く安くやってくれそう!」といった感じではないでしょうか。
よくよく見るとそんなにお得じゃないこともありますが、色をうまく使うことで文字の情報が伝わるより早く、人に狙った印象を与えることができています。

このように配色で、感じてもらいたい印象を作ったり、行動につなげることができます。

ターゲットはだれで、どんな目的で、どんな印象を与えたいか

次に色の決め方です。
「ターゲット」と「目的」から、どんな印象を与えたいかを考え、配色を決めていきます。

私がこれまで制作してきた中では大きく3つ、「全体の色」「強調したいポイントや情報の優先順位」「オリジナリティ」という観点から考え、試行錯誤することが多かったように思います。

全体の配色

会社やサービスなど扱う内容に合わせて、ざっくりとどんな色を使うか決めていきます。
そこから、少し色相を変えたり、明度、彩度を変えていくことでより与えたい印象、イメージしているものに近づくように調整していきます。

ビジネスでは信頼の色として青がよくつかわれます。そして青のなかでも暗い色はより落ち着いた印象に、明るく彩度が低い色は柔らかい印象になったりと、様々です。
また、青でなくても信頼性を感じられる色はたくさんありますし、組み合わせによっては信頼感のある色というのもあると思います。

配色が思いつかないときは、いろいろ見てみるのがいいかと思います。何を見たときに与えたい印象に近いものを感じたのか、ほかの同じような会社やサービスはどんな配色なのか。自分の中にない意外な配色がよかったり、レパートリーを増やすという意味でもとても参考になると思います。

強調したいポイント

全体の色のイメージができたら、情報の優先順位や強調したいポイント、全体のメリハリなどを考えながら、各パーツのデザインを考えていきます。

一旦この段階で色をなしにしてグレースケールで考えていくのもよいかと思います。
配色が分からなくなっていた時に聞いたやり方ですが、とても考えやすくなりました。

色の持つ情報がなくなることで「重要な部分がちゃんと強調されているか」「メリハリがあるか」などが判断しやすくなります。
そこから色の濃さを調整したり、強調したいところに補色(反対)の色を入れたりすると、色がぐちゃぐちゃになってわからない!となることが減ります。

オリジナリティ

上二つとは少し違った観点になりますが、色を選ぶとき他とは違った「らしさ」が表現できるのかというところも大事かなと思います。

なんとなく色には共通するイメージがあって、業界やサービスなど内容によって良く使われている色はあります。
それを参考にすることはできますが、必ずしもほかで使われていて良いと感じる色があっているとは限りません。

周りと同じだと埋もれて見つけてもらえなかったり、その会社やサービス独自の良さが出ていなかったり。
他とは違う「らしさ」も表現できるといいのではないかと思います。

以上の3つの観点と「ターゲット」「目的」に沿って配色を考えていくことが、与えたい印象を作ったり、らしさを表現するうえで必要になります。