インナーブランディングのツールとしてのコーポレートサイト

個人ごとに色が違うブリッジの名刺

コーポレートサイトの役割のひとつとして、自社のビジョンや理念などを社員に伝えるというものがあります。会社の内側に向けた情報発信なので、インナーブランディングなどと呼ばれたりもします。

ブランディングというと一般的に外向きのものと捉えられがちですが、在宅勤務が進む今、自社の内側に向けたブランディングの重要度は高まっているように思われます。

自社のビジョンや理念、自分の考えを伝えたい

最近、「社員に自分の考えを伝えたい」とか「社員が自社のWEBサイトを見たときに誇りを感じられるようなサイトにして欲しい」といった中小企業の経営者からの相談が続いています。

人数が少ないうちは、社長の言葉は届きやすいし、熱量も伝わりやすいですよね。直接話す機会も多いので、価値観も共有しやすいです。

一方で、会社の成長に合わせて人が増えていくと、ビジョンや理念の理解度は薄れていくことが多くなります。企業は「らしさ」を失い、どんどん普通になっていく。これまでに働いた会社でも何度か目の当たりにしてきました。

会社の成長とともに普通になって、らしさを失う理由は一つではありませんが、単純にビジョンが伝わっていないケースも多いように思います。

社員にしてみれば、自分の働く会社が何を大切にしていて、どこに向かおうとしているのかがわからなければ、自分がどこで評価されるのかがわからないし、パフォーマンスを発揮することは難しい。結果として、サービスレベルの低下を招いたり、離職につながってしまうこともあります。

だから、経営者は、社員に自社のことをちゃんと伝えなければならないのです。

インナーブランディングのツールとしてのコーポレートサイト

コーポレートサイトでインナーブランディングの課題をすべて解決することはできないが、ツールの一つとして使わない手はありません。

コンテンツとしてしっかり作り込んでも良いけれど、ブログなどを通じて経営者自らが社内に向けてメッセージや情報を発信するというやり方もあります。ブログなら今すぐにでも始められます。

ひと昔前に、「○○で働く社長のブログ」みたいなものが流行ったけれど、効果は高かったんじゃないかなと思います。社長がどんなことを考えているのか、会社が今どういう状況なのか、どこに向かおうとしているのかが社員に伝わる機会をつくることができます。

さらには社長ブログは採用活動にも役立ちます。求職者にとっても、その会社の向かうところと自分の価値観とのすり合わせができるからミスマッチを減らすことができます。

話は少し逸れますが、ぼくらの会社では、始業と就業の時間に朝会と夕会を行なっています。

お互いがどんな仕事をしていて、どんな課題を抱えているのかを日々共有して解決することが主な目的だけれど、最後にぼくが今考えていることを話すようにしています。抽象的で一見とりとめのないようなことを話すこともあるけれど、これは社風とか文化をつくる大事な仕事だと思っています。

インナーブランディングの必要性を感じるなら内側に向けた情報の発信にも注力する

社長は、こうしたい、ああしたいということを話したいものです。もしも、それを社風や文化として根付かせたいのであれば、言い続けるしかありません。

そこで、ブログの活用です。

ブログに書いておいたから時間のあるときに読んでおいてねと伝えれば良いのです。読む読まないかは相手次第ですが、そこはやっぱり読んでもらえるような内容の記事を書かないといけないということです。

言葉にして伝える。伝わるように努力をする。続ける。

簡単なことではないけれど、インナーブランディングの必要性を感じるなら、こうした取り組みを避けては通れないと考えています。

投稿者プロフィール

橋本敬(はしもとたかし)
プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。WEBサイトの制作・構築から集客・販促などの活用コンサルティングまで中小企業のWEBサイトの活用をサポートしている。