知らないと損をするECサイトのつくり方

知らないと損をするECサイトのつくり方

ECサイトを立ち上げたはいいけれど、思っていたほどお客さんが集まらない、全然売れないという悩みを耳にすることがあります。こうした悩みの原因はECサイトづくりの戦略を知らずにスタートしていることにあります。

みなさんこうおっしゃいます。「ECサイトをつくったからといって、すぐに売れるものではないと理解はしている」。だけど、いつまでたっても上向いてこなくて困っている…。

そんな状況で案外多いのが、サイトを公開をしたあとに「売れ始めるのを待っている」というケースです。

気持ちはわかります。検索エンジンに登録されたり、お客さんが見つけてくれるのを待ってしまうのですが、待つのではなく、売るための活動にさらに力を入れていかないといけないんですね。

商品に自信があればあるほど「ショップを開けば売れるはず」「一度使ってもらえれば良さがわかるのに」と心のどこかで思っているので、思考がフリーズしてしまうのかもしれません。

実店舗をオープンしたならば、お店の奥に座ってお客さんを待つ、なんてことはないですよね。店先に立ってお客さんを呼び込むはずです。これはネットの場合も同じなのです。

ECサイトはECカートのサービスを利用すれば簡単につくれますが、最初のお客さんを獲得するのも、継続して買ってもらえるようになるのも、さらに成長させていくにも、手数がかかります。

お客さんにECサイトに訪問してもらうには?

ECサイトをつくっても、当然のことながら何もしなければお客さんはやってきません。だから、まずは、どうしたらお客さんにECサイトに訪問してもえるかを考る必要があります。

集客といえば、広告を出すのが手っ取り早いように感じるかもしれません。実際のところ、広告は購買意欲の高い人を集めるには有効な手段の一つです。

ただし、広告の場合は、投下する広告費によって獲得できるクリック(訪問数)が決まるので、より多くの広告費をもつ広告主の方が有利であるという現実があります。

広告だけで十分な数を集められないとしたら、さらにほかの手段を使ってECサイトにより多くの人に訪問してもらう方法を考えていく必要があります。

顧客との接点を考える

より多くのお客さんにサイトに訪れてもらうためには、自社のお客さんはどんな人で、どこで接点をつくれるのかを観察し、考えることから始めます。

店舗ビジネスをやっているのであれば、言うまでもなく店舗は重要な顧客接点の一つです。ネットでの集客の場合は、顔が見えないので、見込み客がどのようにして情報を探し、どこで情報を手に入れているのか、接点となる場所やアプローチの方法を仮説をもとに考えていきます。

ネットでの見込み客との接点となるのは、検索エンジンの場合もあれば、SNSの場合もあるし、ブログやホームページの場合もあるでしょう。

つまり、直接ECサイトに訪れるとは限らないということです。

それらのECサイト以外での接点を「入口」として、ECサイトを「出口」とすれば、入り口から出口までの導線をつなぐことが必要なことに気が付くはずです。

うまくいかないと嘆いているECサイトは、この発想がない、もしくは入り口から出口までの流れができていないことがほとんどです。

メディアの特性を考えてECサイトを含めた全体像を描く

広告を使えば、購入意欲のある人をECサイトに呼び込んで買ってもらうという一転突破も可能になります。

ただ、認知の進んでいない商品を扱うECサイトでの一点突破は、広告を使って集客に成功しても、購入まで結びつけるには難易度が高いため、私たちはおすすめしていません。

最終的に購買に結び付けば良いわけですから、私たちは、ECサイト単体で考えるのではなく、複数のメディアを使って接点をつくって「入口」とし、「出口」まで導く全体像を描いて提案をしています。

全体像を描くうえで大切なのは、店舗やECサイト、ホームページ、SNSなどのそれぞれの特性を捉えることです。店舗も含めたこれらをメディアとして捉えるならば、それぞれのメディアの特性を捉え、そこにいるユーザーにどんな行動をとって欲しいのかを考えます。

例えば、ECサイトは一般的に商品の仕様やスペック、原材料などの情報が中心となるため、検索にはあまり強くない傾向にあります。だから、他のメディアを活用して、ECサイトに導く必要があります。

同じように、「ホームページの特性は?」「SNSの特性は?」「店舗の特性は?」といった具合に考えてみると、どれも一長一短あります。それらを互いに補うように使いながら「入口」をつくり、最終的に「出口」まで導くシナリオを描いていきます。

ECサイトは売り場にすぎない

私たちのこれまでの知見をもとに、入り口から出口までを体系的にまとめたマップを使ってお客様とディスカッションをすると、さまざまな具体的なアイディアが出てきます。

ディスカッションの中で明らかになるのは、商品を売るのはECサイトではないということです。ECサイトは売り場に過ぎません。ECサイトが売ってくれるわけではないのです。

重要なのは、お客さんの考えていることと行動を想像しながら、どうしたら買ってもらえるようになるのかを考えて、具体的な行動に落とし込んで愚直に実行していくことです。

入り口から出口までをイメージできるようになると、目新しいアイディアがなくても、当たり前のことができるようになります。

当たり前のことがでできるようになるだけでも、成果は大きく変わってきます。

ECサイトの成果は出口から逆算する

冒頭で書いた「ECサイトを立ち上げたはいいけれど、思っていたほどお客さんが集まらない、売れない」という悩みの多くは出口にばかりフォーカスをしていることが原因です。

受け取る人がほとんどいないのにクーポンを発行したり、サイトだけでキャンペーンを実施したり、ECサイト内の施策を頑張っても、訪れる人が少なければ効果は小さなものとなるでしょう。

ECサイトをピンポイントでとらえるのではなく、入り口から出口までの流れをつくるという視点を持つと、やるべきことが明確になります。

出口への向かう流れを最大化するためには、どの入り口を最適化すれば良いのか、出口はどのように最適化をすれば良いのかを考えて、トライアンドエラーによって改善していく。これがECサイトの成果をアップさせるコツです。

ECサイトを運用するうえで欠かせないもの。それは情熱と継続的な取り組み

ECサイトを運用するうえで欠かせないものがあります。

それは、情熱と継続的な取り組みです。

ECサイトは、生活者にとってもはや特別なものではなくなりました。だからこそ、運営側も情熱をもってしっかりと取り組まないと、お客さんは集まらないし、既存のお客様にも忘れられてしまったり、選ばれなくなってしまいます。

本気でECサイトに取り組むのであれば、年間の販促計画を立てて、継続的に手をかけていくことが求められます。

どんなに優れた方法論があったとしても、そこに情熱がなければ、うまくいかないと考えています。

逆に、情熱があったとしても、やり方が間違っていれば、やはりうまくいかないものです。

情熱をもって、継続的に正しい取り組みをすることによって、ECサイトは機能するようになっていきます。

ブリッジでは、ECサイトの立ち上げ後も定期的な戦略ミーティングをもって、年間の運用計画の作成サポート、現状把握と次のアクションの設定と効果測定などを行いながらショップ運営をサポートするサービスも提供しています。

投稿者プロフィール

橋本敬(はしもとたかし)
プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。WEBサイトの制作・構築から集客・販促などの活用コンサルティングまで中小企業のWEBサイトの活用をサポートしている。