WEBディレクターという職種の定義や守備範囲は会社によって違いはありますが、今までに一緒に仕事をしてきた「いいディレクター」には共通するスキルセットがあります。
なんて書くと特殊なスキルのように思えてしまうかもしれませんが、ものすごくベーシックなことでばかりですし、決して属人的なものではないと思っています。
誰にでもできることのはずなのに、できる人は案外少ない気がします。
参画しているプロジェクトや日々の業務の中で感じていることを、社内教育や未来の仲間のために、備忘録的に書いておこうと思います。例によって、思い出したら適宜更新する系の記事になります。
どんなことでも入念にチェックする
プロジェクトの中で一番ガクッとくるのがチェック不足による品質低下です。チェック不足でクオリティを下げるなんて、もったいないの一言に尽きます。チェックは基本中の基本であるにもかかわらず、やりきる人は実は少ないです。
人は誰しもミスをするし、忘れたり、勘違いもします。でも、信頼されるディレクターはミスや勘違いの確率がものすごく小さい。アウトプットまでの過程では、ミスや勘違いなどはあるはずですが、セルフチェックによってアウトプットまでに潰し切ってきます。
これだけでも「サスガ!」って思ってしまいます。
テキストチェックやリンクチェックなどの地味なものほど、できる人とできない人には大きな差があります。チェックという作業は本当に地味だし面倒なんですけど、しっかりやりきれるかどうかでアウトプットの品質は大きく変わります。
チェックがしっかりできる人は、ディレクターとしての信頼度が跳ね上がります。逆に…です。
経験が浅くてもチェックだけはやりきろうと決めれば、誰にでもできます。たったそれだけのことで(なんて言っちゃいけないよな…)、成長のスピードは加速します。信頼されるようなれば、より大きなプロジェクト、より重要な案件でのディレクションを任せてもらえるようにもなります。
結果として、自信もつくし、いろんなプロジェクトに携わることで経験値もどんどんたまっていくし、面白い人と一緒に仕事をするチャンスを手に入れることができます。いいこと尽くしです。
タスクへの落とし込みを習慣化する
いいディレクターはタスク化が上手です。プロジェクトを進めるには、誰が何をいつまでにやるのかを細かなタスクに落とし込んで管理することが求められます。
タスク化して進めていくと、現在の位置を常に意識することになるので、プロジェクトの中でのクリティカルパスも見えてきます。
タスクへの落とし込みは前述のチェックとセットで考えることになります。そのタスクが完了したのかどうかをチェックする必要があるので、完了の基準は何かを決めなければなりません。このあたりは関係者との認識合わせや確認も必須です。
タスク化ができるようになると、引いたり寄ったりしながらプロジェクト全体を見渡すことができるようになります。
相手の気持ちを慮る
もはやディレクターのスキルでもなんでもない気がしますが、一応書いておきます。
ディレクターはプロジェクトを進行するうえで、社内外の人との関りが深い職種です。クライアントや社内のスタッフに対して、どのような情報を伝えればものごとが円滑に進むのかを常に考える必要があります。
例えば、修正指示を出すときにも、修正の内容を伝えるだけではなく、なぜその修正が必要なのか、どういう意図でその修正が入ったのかを一緒に伝えれば、修正の精度が上がりますし、さらにいい解決策が生まれるかもしれません。
アウトプットに対してクライアントから厳しいコメントを頂くこともありますが、それをどう伝えるのかも大事です。無駄にオブラートに包む必要はありませんが、コメントに感情的な要素が入ってしまっている場合には、客観的な視点で正すべきことろを明確にして、どうリカバリーを図るべきかの共通認識を持てるように努める必要があります。
その他にも細かいところで気を利かせると効率的に作業を進めることができます。ページの内容を確認欲しいなら、URLを貼り付けてあげればクリックするだけで確認できます。
もう、この辺は慣れてくると慮るでもなんでもないのですが、ちょっとした気遣いや工夫ができるかどうかで、効率も信頼も変わってきます。
わからないことはわからないと言う
打ち合わせのなかで質問をされて、わからないことってありますよね。
クライアントからするとディレクターはWEBの専門家ではあるけれど、僕らはなんでも知っているわけではありません。だから、わからない時にはわからないと素直に伝えたほうが良いです。大切なのは、質問に対して正しい答えや情報を返すこと。調べて後で返事をすればまったく問題ありません。
取り繕うおうとして不確実な情報を伝える方ことの方がよほど問題です。
もちろん、専門家として最低限知っておくべきことはあります。デザイナーやプログラマーでなくても知っておかないといけないことはあります。そこは担保すべき。
ネットの世界はサービスや情報がどんどんアップデートされていきます。僕もわからないことや知らないことはあるし、忘れてしまうこともあります。そんな時には「わからないので調べて連絡します」「忘れてしまったので、確認をしてあとで連絡します」ですよ、いまだに。
わからない時にはわからないでOKです。大切なのは、その後の対応です。
どれもこれもWEBディレクターという職種に限った話ではないのだけれど、僕が出会った「いいディレクター」に共通しているスキルです。
思い出したら追記していきます。
投稿者プロフィール
- プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。徹底的なユーザー視点でのWEBサイトの構築やコンテンツ制作を通じて事業課題の解決を支援している。
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