博多にて

橋本です。

今回は、WEBサイトの活用と仮説力についてお伝えします。

WEB活用のポイントは効果測定をしながら改善活動を続けることなのですが、その際に効果を測定する方法やツールはいろいろあります。

アクセスログ解析はGoogle Analyticsがよく知られていますが、アクセスログ以外にも画面を見る人の目の動きを追う仕組みであったり、ページの中で精読されている箇所やクリックされたポイントを調べるサービスなどさまざまなものがあります。

WEBというメディアは訪問者の行動を数値によって把握しやすいので、目的に応じてツールやサービスをうまく活用すれば、自社サイトの健康状態がわかるようになります。

WEB活用に必要なのは仮説力である

ツールやサービスを活用すれば、サイトのアクセス状況や訪問者の行動などを数値データとして把握ができるようになります。逆に数値データがなければWEBサイトの効果的・効率的な改善はできないといっても過言ではありません。

WEBを活用するうえでデータをとることは大前提です。

ただ、こうしたデータを目にするときに留意しなければならないのは、得られたデータは事実に過ぎないということです。

データによって自社サイトの状況を数値で把握できるようになるので改善活動につなげていけそうですが、データは事実であり結果に過ぎず、課題の原因や改善策を教えてくれるものではないのです。

データを集めて現状を把握できても仮説を組み立てる力がなければ、具体的に何をすべきかがわからず、改善策をとることができないのです。

WEBを活用する上で絶対的に必要となるのは仮説を立てる力です。

仮説をたてるためにはマーケティングの本質を理解すること

では、仮説をたてるにはどうすればいいのかというと、答えはたったひとつです。それはマーケティングの本質を理解することです。

マーケティングというと数値データを分析して…みたいなことを連想する人もいるようですが、マーケティングとは商品やサービスが売れるようにすることです。

WEBサイトであれば、サイトに訪れた顧客の心を動かしてクリックしてもらうということです。

仮説をたてるとは、顧客の心を理解して、何を伝えれば心を動かし行動(クリック)してもらえるのかを考えるということであり、その手段としてサイトを訪れた人にとって欲しい行動を促すための道筋をつくっていくのがデザインです。

顧客の心を動かすとはどういうことかがわからないままデザインを検討したり、集客のためのコンテンツを増やしてみても、課題を解決するのは難しいでしょう。

こうして顧客の心を理解し、どうすれば行動をしてもらえるのかを考え、具体的な施策に落とし込んでいくことで仮説をもとにしたWEBサイトの改善プロセスは機能していくのです。

誰に何を言うかは、どう言うかよりも重要だ

「誰に何を言うかは、どう言うかよりも重要だ」という言葉があります。

ターゲットとなる顧客と顧客の心理状態を間違えてしまえば、どんなに表現に凝っても決して良い結果は得られないでしょう。

一方で、「誰に何を言うか」が決まれば、顧客の心を動かすという点で「どう言うか」に工夫を凝らして感情に訴えるというのは重要な要素です。表現一つでクリック率が大きく向上することもあります。

仮説を立てる上では、「誰に言うか」「何を言うか」「どう言うか」は切り離して考えるべきものではないと考えます。ただし、順番はとても重要です。

経験上、機能しないWEBサイトはこうした考え方の順番が間違っていることが多いのが事実です。

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投稿者プロフィール

橋本敬(はしもとたかし)
プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。徹底的なユーザー視点でのWEBサイトの構築やコンテンツ制作を通じて事業課題の解決を支援している。