キーワードリサーチのテクニックと最新ツール

キーワードリサーチはSEO対策の鍵を握る重要なステップです。

適切なキーワードを選定し、コンテンツ戦略を立てることで、ウェブサイトへのトラフィックを増加させることが可能となります。

キーワードリサーチの際には、検索ボリュームや上位表示の難易度など、いくつかのポイントがあります。検索結果ページでは相対的に順位が表示される以上、キーワードリサーチは競合調査も含めて行う必要があります。

この記事では、キーワードリサーチのための最新ツールとテクニックについて解説します。

効果的なキーワードリサーチのテクニック

ロングテールキーワードの活用

ロングテールキーワードとは、複数のキーワードの組み合わせで構成された、検索ボリュームが比較的少ないキーワードです。一般的なキーワードよりも、より具体的なフレーズとして検索されます。ロングテールキーワードの活用は、WEBマーケティングにおいて非常に効果的な戦略です。

例えば、「靴」が一般的なキーワードであれば、「夏用 レディース ランニングシューズ」のようなフレーズがロングテールキーワードにあたります。

では、なぜこのようなロングテールキーワードがWEBマーケティングにおいて有効なのか、その理由を詳しく解説します。

1. 競争が少ない

一般的なキーワードは競争が非常に激しく、上位にランキングすることが困難です。しかし、フレーズであるロングテールキーワードは検索ボリュームが少ない代わりに競争も少なく、特定のニッチなトピックに特化しているため、検索結果で上位に表示しやすくなります。

2. 質の高いトラフィックを獲得できる

ロングテールキーワードは、特定の商品や情報を求めているユーザーによって検索されることが多いため、訪問者の意図とウェブサイトの内容が一致しやすくなります。これにより、訪問者の満足度が高まり、ウェブサイトへのエンゲージメントや転換率(コンバージョンレート)の向上が期待できます。

3. ユーザーの検索意図を捉えやすい

ロングテールキーワードは具体的なフレーズであるため、ユーザーの検索意図を正確に把握しやすく、そのニーズに合わせたコンテンツを提供することが可能です。これにより、ユーザー体験の向上につながり、長期的な顧客関係の構築に役立ちます。

4. SEO戦略の多様化に貢献

ロングテールキーワードを積極的に取り入れることで、SEO戦略を多様化させることができます。様々なニッチなトピックをカバーすることで、幅広い検索クエリに対応し、より多くの潜在顧客にリーチする機会を増やすことができます。

このように、競争が激しい一般的なキーワードよりも、特定のニッチをターゲットにしたロングテールキーワードを選定することで、より質の高いトラフィックを獲得できます。

ユーザーの意図を理解する

検索するユーザーが何を求めているのかを理解し、そのニーズに合ったコンテンツを提供することが重要です。情報を求めているのか、購入を検討しているのか、その目的に応じてキーワードを選ぶことで、ユーザーのニーズに直接応えることができ、結果的にウェブサイトのエンゲージメントを高め、転換率を向上させることが可能になります。

ユーザーの検索意図の種類

ユーザーの検索意図は大きく分けて以下の4つに分類されます。

情報検索意図(Informational Intent)

ユーザーは特定のトピックや問題に関する情報を求めています。例えば、「SEOの基礎」と検索するユーザーは、SEOに関する基本情報を探している可能性が高いです。

ナビゲーショナル検索意図(Navigational Intent)

ユーザーは特定のウェブサイトやページにアクセスすることを目的としています。例えば、「YouTube」と検索する場合、YouTubeのホームページを探していると考えられます。

トランザクショナル検索意図(Transactional Intent)

ユーザーは購入や登録など、何らかのアクションを起こす意図を持っています。例えば、「最新のスマートフォン購入」と検索するユーザーは、スマートフォンを購入する意向があると推測されます。

商業的調査検索意図(Commercial Investigation Intent)

ユーザーは将来の購入に向けて製品やサービスを比較・検討しています。例えば、「ベストスマートフォン2024」と検索するユーザーは、購入前の情報収集をしていると考えられます。

検索意図に合わせたキーワードの選定方法

トピックと関連キーワードのリサーチ

ユーザーが求める情報や製品に関連するトピックとキーワードをリサーチします。このプロセスでは、このページの後半で紹介するキーワードリサーチツールを活用して、関連するキーワードのアイデアを得ることができます。

検索クエリの分析

ユーザーが使用する検索クエリを分析し、それが4つの検索意図のうち、どの種類に該当するかを特定します。これにより、ユーザーが求めているコンテンツの種類を理解することができます。分析をしたクエリを用いて実際に検索をしてみて、どのような結果が返ってくるかを確認します。

コンテンツの形式と内容の検討

検索意図に基づいて、提供すべきコンテンツの形式(ブログ記事、製品ページ、FAQなど)と内容を検討します。情報検索意図に対しては教育的なコンテンツを、トランザクショナル検索意図に対しては製品情報や購入ページを提供することが重要です。

ユーザーエクスペリエンスの最適化

ユーザーが容易に情報を見つけられるように、ウェブサイトのナビゲーションやコンテンツの構造を最適化します。また、モバイルフレンドリーなデザインを採用することで、様々なデバイスからのアクセスに対応します。

ユーザーの検索意図を理解し、それに応じた適切なコンテンツを提供することで、ウェブサイトへの訪問者の満足度を高め、検索エンジンにおけるランキングの改善につなげることができます。このアプローチは、ウェブサイトのトラフィックとエンゲージメントの向上、そして最終的なビジネス成果の達成に寄与します。

競合の分析

競合他社がどのようなキーワードをターゲットにしているかを分析し、それに基づいて自社のキーワード戦略を練ることも有効な手段です。

キーワードギャップの特定

最初に、直接的な競合(同じ製品やサービスを提供している企業)と間接的な競合(異なる製品やサービスを提供しながらも同じ顧客ニーズを満たしている企業)を特定します。

その上で、競合がターゲットにしているが、自社がまだ取り組んでいないキーワードをリサーチします。これらのキーワードは、新たなコンテンツ作成やSEO対策の機会となります。

コンテンツ戦略の強化

競合のコンテンツを分析することで、自社のコンテンツがどのように改善できるか、また新たに作成すべきコンテンツのアイデアを得ることができます。

リンク構築戦略の策定

競合がバックリンクを獲得しているウェブサイトを分析し、同様のウェブサイトからリンクを獲得するための戦略を立てます。これには、ゲストブログの投稿や業界内のインフルエンサーとの関係構築が含まれます。

季節性やトレンドの考慮

一年を通じて検索ボリュームが変動するキーワードや、特定のイベントに関連するトレンドキーワードを活用することで、タイムリーなトラフィックを獲得できます。

特定の季節やイベントに関連するキーワードは、その時期に検索ボリュームが増加する傾向があります。これを活用することで、ウェブサイトへのトラフィックを増やすことが可能になります。

季節性やトレンドを先読みしてキーワードを選定し、関連するコンテンツを事前に用意することで、競合よりも早くユーザーの注意を引くことができます。

季節性やトレンドを活用したキーワード選定方法

市場調査の実施

自社の業界や市場における季節性やトレンドを理解するために、過去のデータや市場調査を活用します。例えば、過去の検索トレンドデータを分析して、特定の季節やイベントにおけるユーザーの関心事項を把握します。

キーワードリサーチツールの利用

後に紹介するGoogle キーワードプランナーやGoogleトレンドなどのツールを使用して、季節性やトレンドに関連するキーワードの検索ボリュームと動向を調査します。これにより、ターゲットにすべきキーワードを特定できます。

コンテンツカレンダーの作成

年間を通じて重要な季節やイベントをカレンダーにマッピングし、それに合わせてコンテンツを計画します。このカレンダーは、季節性やトレンドに合わせたコンテンツ制作を事前に準備するのに役立ちます。

柔軟なコンテンツ戦略の採用

新しいトレンドや急激な市場の変化に迅速に対応できるように、コンテンツ戦略を柔軟に保ちます。SNSやニュースサイトでの最新トレンドの監視も、タイムリーなコンテンツ作成には欠かせません。

季節性やトレンドを考慮したキーワード戦略を採用することで、ウェブサイトは一年を通じてユーザーの関心を引きつけ、エンゲージメントを高めることができます。このアプローチは、特定の時期におけるウェブサイトの可視性とトラフィックの増加に大きく寄与するでしょう。

最新のキーワードリサーチツール

WEBマーケターがキーワードリサーチや競合調査に使うツールには下記のものがあります。どのサービスも似たような機能を提供していますが、ツールごとに特徴や強みには少しずつ差異があるので、目的に応じて選定をしましょう。

Google キーワードプランナー

Googleが提供するこの無料ツールは、キーワードの検索ボリュームや競争の激しさを調べるのに役立ちます。また、関連キーワードの提案も行ってくれます。キーワードプランナーは無料で利用することができますが、広告出稿の有無によって提供されるデータの精度が異なります。

扱うテーマによっては、キーワードプランナーの他、googleトレンドを使ってキーワードの検索需要の推移を調べることも有効です。

googleトレンド

Ahrefs(エイチレフス)

キーワードエクスプローラー機能を使えば、特定のキーワードの検索ボリューム、クリック数、競合分析、ソーシャルメディアの反応などの把握が可能です。また、コンテンツギャップ分析ツールを用いて、競合他社がターゲットにしているが自社がまだカバーしていないキーワードを発見することもできます。

Ahrefs公式サイト

Semrush

Semrushは、SEO、広告、SNSなどデジタルマーケティングのあらゆる領域を網羅し、オンラインのトラフィック改善を支援するツールです。キーワードリサーチだけでなく、サイトのSEO分析、競合調査など幅広い機能を提供しているのが特徴です。特に、キーワードの変動を追跡する機能は、市場のトレンドを理解するのに非常に有効です。

Semrush公式サイト

Ubersuggest

ニール・パテルが提供するこのツールは、キーワードの検索ボリューム、SEO難易度、ペイド検索の競争度合いなどの情報を提供します。また、関連キーワードの提案も得られます。

Ubersuggest公式サイト

まとめ

キーワードリサーチは一回きりの作業ではありません。市場やユーザーのニーズが変わるにつれて、継続的に見直しと調整が必要です。上記のツールやテクニックを駆使し、効果的なキーワードリサーチを行うことで、デジタルマーケティングの成果を最大化できるでしょう。

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投稿者プロフィール

橋本敬(はしもとたかし)
プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。WEBサイトの制作・構築から集客・販促などの活用コンサルティングまで中小企業のWEBサイトの活用をサポートしている。