ブリッジのWebディレクターを担当しています、ふじたことねです。
【3分でわかるシリーズ】4本目では、ホームページ制作を進めるにあたって重要な役割を果たすデザイン思考の中でもキーとなる「観察」ついてお伝えいたします。
前回、「イノベーションは考え方次第で誰にでも起こせる」にてデザイン思考とは、「ユーザーが本当に求めているもの」をユーザーに届けることであるとお伝えしました。
そこでは、「本当に求めているもの=潜在的ニーズ」を発見するための有効な手段が「観察」であるというところまでお話させていただきました。
うまく観察することができれば、ホームページ制作においては、デザインやコンテンツを考える際にさまざまなヒントを得ることができます。
顕在化したニーズはもちろんのこと、潜在的なニーズについてもコンテンツ化していくことができれば、ホームページを通じて認知を広めたり、好意度をあげることにも役立てることができます。
デザイン思考を理解するヒントは「合理性」
「人間の行動は全てその人間の何らかの欲求に基づいており、当人にとって、合理的であるがゆえに生じる」
これがデザイン思考における基本的な考え方です。
ホームページを制作するにあたっても、ユーザーの「欲求」と欲求を満たすための「合理性」を理解することが重要です。そのための手段が、今回取り上げる「観察」となります。
ここからは、ユーザーを「観察」する方法について、以下2つの観点からお伝えします。
- ユーザーの合理性を知るための「観察」
- ユーザーの極端な行動心理から潜在的ニーズを発見するための「観察」
今回は、1のユーザーの合理性を知るための「観察」についてお伝えします。
ユーザーの合理性を知るための「観察」
では、何を「観察」するのかというと、観察対象の人が感じているであろう感情と実際にとった行動の整合性です。
観察することで、推測していた感情と行動に違和感や矛盾・意外性を発見することが目的です。
発見した違和感や意外性はあなたに気づきを与えてくれるでしょう。
この気付きはお客様にとっての「潜在的ニーズ」と結びつくかもしれません。
潜在的ニーズをキャッチすることがイノベーションを起こすための重要なステップであるデザイン思考では考えます。
ホームページでのデザイン思考の活用法
例として、採用がうまく進まない企業を考えてみます。
ここまでの話を踏まえると、採用がうまく進まない原因は、採用したい企業の合理性と、応募する求職者にとっての合理性が噛み合っていないということが考えられます。
求職者の欲求とは何でしょうか?仕事の内容、給与などの待遇、福利厚生など、人によって価値観はさまざまですが、これらをひっくるめて、自分にマッチしていると確信できる会社にたどり着きたいという欲求を持っていると考えられます。
しかし、応募しないという行動をとっているのですから、そこには求職者にとって合理的な理由が存在するはずです。
そこで、デザイン思考の出番です。
観察によって、求職者にとっての応募しない行動に対する合理的な理由は「結局の所、入社してみないと実状はわからないという不安」にあるという仮説を立てました。
そこで、応募するに値する合理性を感じ、「応募」という行動をとってもらうための方法を考えます。
入ってみないとわからないという不安があるので、入る前にどういう会社かがわかるような仕組みを提供してみてはどうかというアイデアです。
アイデアを具現化しホームページ上で試してみる
今回は、面接の前に選考用を含まないカジュアルな「面談」を設定することにしました。
ホームページの採用コンテンツのゴールを以下のように変更します。
変更前のゴール:募集職種へのエントリー(書類選考や面接への入り口)
変更後のゴール:双方の理解のための面談(選考なし、エントリーするかどうかは自由)
選考というハードルを下げることで、とりあえず話を聞いてみようというステップに進みやすくすることを狙います。
カジュアルな面談を挟むことで、求職者にとっては「自分にあう会社や環境かどうかを事前に知る」ことができるようになります。
その結果、選考に進む応募の前に自分のキャリアを預ける価値がある会社かどうかを判断できるので、「話を聞いてみよう」という感情になると考えられます。また、採用したい企業にとっても、求職者がどんなことを求め、どんなことを心配しているのか、といった理解を深めることができます。
面談の場で伝えるのはもちろんですが、求職者が求めていることや心配ごとを解消するためのコンテンツをホームページに反映していけば良いわけです。
デザイン思考をホームページの改善に活かすために
今回は、デザイン思考をホームページ作成に活用する方法についてお話致しました。
「観察」するための観点1つ目、「ユーザーの合理性」の観点から、潜在的ニーズを発見するという方法です。
次回は、「観察」における2つ目の観点、ユーザーの極端な行動心理から潜在的ニーズを発見するための観察方法についてお伝えします。
<前回の記事>
デザイン思考の全体感についてが分かる記事はこちら。
それではまた☺
投稿者プロフィール
- プロデュースチーム ディレクター。早稲田大学人間科学部卒業。大阪出身。
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