ブリッジのWebディレクターを担当しています、ふじたことねです。
5本目の【3分でわかるシリーズ】、
今回は、デザイン思考をホームページに活用する方法について、前回に引き続きお話いたします。
今回のテーマは、ユーザーの極端な行動心理から潜在的ニーズを発見するための「観察」するための考え方です。
前回、ユーザーの潜在的ニーズを発見するためには、観察しユーザーの合理を理解することが有効であるとお伝えいたしました。
今回ご紹介する「ユーザーの極端な行動心理」とは、ユーザーの合意性の考え方を応用したものです。
「ユーザーの極端な行動心理」を考えることで、ユーザーの潜在的ニーズを満たすホームページの設計に活かすことができます。
「極端」から潜在的ニーズを発見するための「観察」
タイトルに「極端」と書きましたが、つまり開発者やサービスの提供者が想定しないような行動を取るユーザーを指します。
ユーザーの多数は、マニュアルを用意していれば、マニュアルに沿った行動をします。
しかし、マニュアルを理解できない子供や、サービスを熟知し独自の使い方が存在するようなユーザーのように、マニュアル通りの行動をしない人たちがいます。
極端な行動をするユーザーは自身の合理性を優先し、自分の使いたいようにサービスを使います。
そうした「極端なユーザー」を観察することは、サービスの提供者も気づかないような潜在的ニーズを発見するために有効な手段となります。
ホームページで極端な行動をとるユーザーを観察する
ホームページでは、マニュアルを「サイト設計」「導線」と置き換えることができます。意図した通りにページを閲覧しないユーザーや予想外の行動をとるユーザーは珍しいことではありませんが、どうしてそのような行動をとるのかを探ることは、ホームページの改善に大きく役立ちます。
ホームページにちなんだ例として、ここでは、セールス目的のお問い合わせをしてほしくない企業と、Webサイトへお問い合わせを営業の手段だと思っているセールスパーソンのケースを想定し、考えてみます。
企業がセールス目的の問い合わせをして欲しくない理由は、大きく2つあると考えられます。
- そもそも、求めていないサービスを売り込まれたくない。(しかし、役に立つ情報は欲しいとも思っている。)
- マーケティングのための分析データにとって"ノイズ"となる。
2に関しては、多くの企業は問い合わせフォームに分析ツールを組み込んでいるので、マーケティングに活かすための正確な分析ができなくなる、というのが企業側がセールス目的で問い合わせを利用して欲しくないという合理性が存在します。
広告を踏んで売り込みをかけてきたり、売り込みをコンバージョンとしてカウントしてしまうと、効率や費用対効果を測定する妨げになります。
一方、セールスパーソンは新規顧客を獲得したいという合理を持っています。そのためサービスを使ってほしいセールスパーソンにとって、お問い合わせフォームは営業手段です。「セールスお断り」との文言があろうと、サービスを紹介することが目的なので企業側の事情は関係ありません。
観察結果をヒントにホームページを改修してみる
前述のように、企業とセールスパーソンの両者は、それぞれ対局の「合理」を持っていると考えることができます。
例えばですが、デザイン思考を活用することで、両方のユーザー視点で課題を解決するアイデアを生み出すことも可能になります。
双方の合理性をもとに、どちらも一定の満足を得る方法を考えてみると、
『ホームページにお客様からのお問い合わせフォームと別に、パートナー企業やサービスの紹介をしたい人専用のフォームを用意する』
というアイデアを得ることができます。
売り込みたいというセールスパーソンの目的を達成しつつ、ノイズを入れたくないという両者の合理を叶える仕組みを作ることができると考えました。それでも完全に解決はしないかもしれませんが、企業側の合理性への改善は期待できます。
このように、極端な行動をするユーザーを観察することで彼らの合理性への理解を進められます。
それがこれまで気が付かなかった潜在的ニーズの発見へと繋がります。
デザイン思考をホームページの改善に活かすために
今回は、デザイン思考における「観察」をする上で大切な考え方や、角度を変えてヒントを得る方法についてお伝えしました。
しかし、これらにより潜在的ニーズを発見出来たとしても、いきなりイノベーションは起きません。
なぜなら、本当のニーズを実現するための施策がユーザーに届いて初めて、ニーズを満たすことが出来るからです。
そのため次回は、「アイデアを形にするために大切なこと」についてお話しようと思います。
<前回の記事はこちら>
<デザイン思考についてが分かる記事はこちら>
それではまた☺
投稿者プロフィール
- プロデュースチーム ディレクター。早稲田大学人間科学部卒業。大阪出身。