中小企業のWEB活用がなかなか進まない理由

橋本です。
私たちの仕事は、お客さんの話を聞くところからスタートします。
初期の段階では、WEBサイトやホームページがどうこうというよりも、会社のことや商品・サービス、売り上げ、社員のことなどを中心に、どんなことに困っているのか、どうしたいのか、どうなりたいのか、みたいなことを教えてもらいます。
ヒアリングをもとにアクセス状況を分析して仮説を立て、継続的に改善活動を続けることで「サイトの問題」は解決できます。
でも、中小企業がWEBを活用するために解決しなければならない本当の問題は、「WEBサイトの問題」とは別にあることが多々あります。
なぜ、中小企業のWEB活用はなかなか進まないのか
中小企業のWEB活用が進まない最大の理由は、WEBの力を信じていないことにあります。
うまくいっていない状況であれば、WEBの力を信じられないのは当然のことだとは思います。
でも、WEBを活用しようと思うなら、WEBの力を信じることが必要です。
なんて話をすると「精神論ですか?」みたいに思うかもしれませんが、中小企業の場合、半分は精神論に近いものと言えるかもしれません。
活用しようという意思はあってもアクションとして継続できなければ、成果にはつながりません。
成果につながらないからといって「こんなもんか」と思ってしまったら、そこで終わりです。
WEBの力を信じていない会社が陥りがちな状況
これまでの経験上、WEBの力を信じていない会社さんは、だいたい似たような状況にあります。
ネットの情報に振り回させれてしまっていたり、思い込みや自己流で突き進んでしまっていたり。
また、やるべきことがわかっているのに、やり切れていなかったりというケースもあります。
やり切らないから成果につながらず、信じられない。信じられないから本腰を入れて取り組めないという悪純化にはまってしまいます。
では、なぜやりきれないのでしょうか。
そもそもWEBの戦略がない
うまくいかない会社さんは、WEB活用に関する戦略がずれてしまっていることが多いです。戦略と呼べるものがそもそも存在しないこともあります。
戦略がないということは、進むべき方向がわからないということです。
正しい方向に向けて正しいアクションがとれないので、WEB活用はなかなか進みません。
東京から大阪にいくことがわかっていれば、新幹線や飛行機といった手段を選ぶことができます。
でも、行き先がわからなければ手段を選べません。
行き先がわからないあま「とりあえず乗ってみた」という人はいませんが、WEBとなると「とりあえずやってみた」みたいなことが起きてしまうのです。
やってみたことが偶然あたることはあるかもしれませんが、そこに再現性はありません。
WEBサイトを活用して何を実現したいのか、そのために何をすべきか。
まずは方向性をはっきりさせることからです。
投資をしない・正しい投資ができない
WEB活用に対して投資ができない会社さんも、なかなか前に進むことができません。
外注費を抑えるために社内で対応するというケースもありますが、知識や技術、ノウハウをもたないまま取り組んでも、なかなかうまくいかないものです。
うまくいかないのであれば、課題解決のスキルをもったWEB制作会社に依頼をするなど、やり方を変える必要があります。
こうした費用をコストと見るか投資と見るか。
私の考えは、WEBにかかる費用のほとんどはコストではなく投資です。
例えば、集客のための広告の費用も投資です。
広告を打てば見込み客を獲得してリターンを得ることができると考えます。
ここで広告費が惜しいと考えれば、WEBから見込み客を獲得できず、売り上げが苦しくなるかもしれません。
WEBを使って達成したい目標があるのであれば、最終的にリターンを得ることを前提として、到達するまでの過程にかかる費用は投資と考える必要があります。
WEBの世界は流れが早く、メディアは多様化し、仕組みや技術も複雑化しています。
制作、コンサルティング、広告などにかかる費用を投資と考え、リターンを得ることを前提として取り組まなければ、WEB活用はなかなかうまくいかないでしょう。
運用ができない・運用効率が悪い
これまでに見てきた会社さんの中には、自社での運用がうまくいっていないというケースもかなり多いです。
専任のスタッフを配置することができないことが多いので、稼働の制約上どうしても後手に回ってしまうのです。
ですが、WEBサイトを活用したいのであれば、運用こそ全体戦略にもとづいて計画的に進めていく必要があります。
運用の問題は主にこのようなものです。
- 人手不足で運用が回らない
本業のビジネスに注力しながら、WEBサイトの運用にまでマンパワーを割くことができない。 - スキル不足で効果が上がらない
WEBの知識や技術の不足から効果を上げることができない。専門性の高いスキル持つ人の雇用は人件費が高くつくので現実できではない。 - 運用効率が悪い
人手不足とスキル不足のために運用効率が悪い。
人手不足は、どの企業の経営者も頭を悩ますところですが、WEBサイトにおいては計画通りに運用されなければ機会損失につながります。
サイトの情報が古いままであれば、情報を求めてサイトを訪れた人の信頼を損なうかもしれません。
お中元やお歳暮など季節のタイミングで売るべきものであれば、後手を踏めばダイレクトに売り上げに影響が出ます。
WEBサイトを通じて見込み客に見つけてもらうための努力をしなければ、自社や商品のことを知ってもらうこともできません。
このように挙げていけばきりがありませんが、WEBサイトの運用は、それくらいのインパクトを持つものです。
WEB活用を考えるなら運用を第一に考えるべきなのです。
効果が感じられないからWEBを信じられないという悪循環
細かく見ていけば、企業のWEBサイトが抱えている問題は多岐に渡りますが、WEB活用の大きな妨げとなるのは、戦略の問題、投資の問題、運用の問題であることが多いです。
こうした問題を解決できなければ、WEBサイトを立ち上げたり、リニューアルをしたとしても、成果に結びつけることは難しいでしょう。
結果として成果を感じることができないので、WEBを信じられないという悪循環が起きてしまいます。
「こんなものか」と思って運用が止まってしまったり、後手を踏むことが暗黙の了解となってしまうのです。
WEBを本当に活用したいと考えるなら、WEBを信じて投資をしていくのが現実的な解決策だと思います。
私たちも、クライアントワークに限らず、自社のプロジェクトだとしても、専門性が高い分野については、外部のパートナーに依頼したり、専門サービスを利用します。すべてを自社で対応するのは費用対効果もよくないですし、現実的でありません。
大切なのは目的を達成することです。
私はWEBの力を信じているので、リターンがあると思うものには投資をして時間を節約しながら成果をあげていきたいと考えています。
もしも、同じように考えてWEB活用のパートナーをお探しであれば、お気軽にお声がけください。
投稿者プロフィール
- プロデューサー・クリエイティブディレクター。早稲田大学政治経済学部卒業。リクルートグループ、オン・ザ・エッヂ、ミツエーリンクス、博報堂アイ・スタジオを経て独立、株式会社ブリッジを設立。WEBサイトの制作・構築から集客・販促などの活用コンサルティングまで中小企業のWEBサイトの活用をサポートしている。
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