WEB制作において、ユーザビリティの重要性はよく耳にすると思いますが、ユーザビリティが高いサイトと聞くとどういうものが思い浮かぶでしょうか?

情報が整理されていて見やすい、操作性がよく使いやすいサイト、といったような感じでしょうか。

でも実際は、単純な使いやすさだけではなく「ターゲットとなる特定のユーザー」や「特定の使用目的」に合わせた使いやすさを指します。

ユーザビリティの高いサイトは、ターゲットとなるユーザーを定め、何を目的にしたサイトなのかを明確にしたうえで「どうしたら使いやすいか」を考えていきます。

よくユーザビリティと混同される言葉に「アクセシビリティ」や「ユニバーサルデザイン」があります。
この2つとの違いを知るとよりユーザビリティのポイントがわかりやすいかと思います。

アクセシビリティ

アクセシビリティは、使いやすさ以前に「誰もがそのサイトにアクセスできるか、情報が得られるか」という点が問題となります。

例えば、視覚障害者はスクリーンリーダーでサイトを閲覧するので、

  • 音声情報でも理解できるように情報が整理されたている
  • altタグが正しく設定され写真や図の情報も伝わる

など、音声情報でも健常者と同じように理解できるサイトはアクセシビリティが高いサイトといえます。

ユニバーサルデザイン

ユニバーサルデザインは、特定のだれかにとってではなく、高齢者・障害者も関係なく、誰にとっても使いやすい、わかりやすいデザインのことを指します。WEB以外でも、階段のスロープや段差のない部屋など、身の回りのものにもよく見られます。

この2つとユーザビリティを比較すると、だれがユーザーで、何を目的としたサイトなのか、がポイントだとわかります。

「誰に」「何を」を明確にした顧客視点での制作

ユーザビリティを高めるには、以前の投稿「ユーザーを迷わせないサイト」にも通ずる顧客視点が必要になりそうです。

このターゲットと目的がずれてしまうと、ユーザビリティの向上にはつながりません。

ターゲットの年齢層による違い

例えば、ターゲットが若者の場合と高齢者の場合では、ユーザビリティが高いサイトの設計やデザインは異なります。

利用者のほとんどが高齢者である場合、

  • 全体的に文字が大きい
  • リンクやボタンは大きく、立体感のあるものや実際のボタンに似せたデザイン
  • お問い合わせは電話番号を優先にする

などの工夫が必要です。


それは、高齢者であれば文字が大きくないと見えづらいことや、問い合わせは電話が多いこと、現在主流のフラットデザインだと操作がわかりづらいことが考えられるからです。

多くの人達がスマートフォンやパソコンが使えているのは、これまで使ってきた経験から操作が分かっているからです。フラットデザインが主流になる以前はマテリアルデザインという実物に近い見た目のものが主流でした。そこから徐々に今のフラットデザインに移っていきますが、この過程で私たちは操作を学習します。そのためシャドウや立体感のないボタンでもボタンだと認識し、クリックすることができます。

この経験があまりない層にとってはより実物に近いもののほうがわかりやすく使いやすいと考えられます。

サイトの種類による違い

他にも、コーポレートサイトに比べてECサイトはごちゃっとした、雑多な印象のものが多いですが、これもこの2つのサイトではユーザビリティの高いサイトの構造・デザインが違うためです。

構造としては、商品の情報、関連するおすすめ商品、口コミ、絞込みや検索がサイドバーにある、など情報が多く、たくさんの要素があります。

そしてそれぞれが目立つような様々な色やフォント、見せ方、トーンがあります。

このような作りは購買意欲を上げたり、顧客が商品の購入を判断するまでに必要とする情報を提供することができます。

以上のように、ユーザビリティの高い、わかりやすいサイトをつくるためには、ターゲットや目的を明確にし、顧客視点で情報設計、デザインをすることが重要になります。