戦略策定・企画フェーズの進め方。サイトを方向づける最初の一歩。

初めてサイトの新規立ち上げやリニューアルの担当者となった方や、ウェブサイトの制作を検討されている方が、ウェブサイトができるまでの全体的な進め方を知っていただけるように書いています。
今回はウェブサイトの制作の一番初めのフェーズ、戦略策定・企画フェーズでの進め方についてです。
戦略策定・企画フェーズで考えること・決めること
ウェブサイトの役割や目的を検討
WEBサイトを機能させるためには、クライアント企業のビジネスの全体像から把握するところから始めます。
ビジネスにとってWEBサイトがどのような役割を担うことができるのか、どのように機能させるとクライアント企業の目指している姿に近づけることができるのか、などを一つずつクライアント企業と一緒に検討します。
例えば、サイトの目的の一つを「わかりやすく整理されたサイトにしたい」と定義した場合、次のように考えます。
仮説をたてる
まずは、サービスを導入しようと検討している見込み客の検討プロセスについての仮説をたてます。
- 課題を解決するための情報を集める
- 良さそうなサービスのリストアップする
- リストの中から問い合わせ先をピックアップする
- 問い合わせる
- 提案や見積を依頼する
課題を解決するための情報を探す際に検索を使わない企業はないでしょう。自社の商品やサービスがブランドとして十分に認知されていて、見込み顧客が最初に自社を想起してくれるような状態が理想ですが、実際には、直面している問題や解決方法として想像できるキーワードを使って検索されるケースも多いです。
WEBサイトでサービス内容や価格、事例や実績、会社概要などを確認します。自社の課題を解決するサービスだと感じてもらえれば、問い合わせ候補としてリストアップに追加されます。ほとんどのサービスは、この段階でふるいにかけられ、比較検討される土俵に乗ることができないのです。
仮説をもとに分析を行う
まずは、比較検討の対象となるために、良さそうと思ってもらうために必要な情報は何か、競合他社との違いをつくれるポイント(自社の強み)はどこにあるか、などをできる限り明確にしておく必要があります。
自社のサービスが、競合他社にはない独自の強みを持っていて優位なポジションにあったとしても、企業の発注プロセスの中では相見積の規定などにより、一度は比較検討の対象となるケースが多いと考えられます。
サービスの内容や優位性もさることながら、情報収集の担当者には、自社のWEBサイトに訪れて、その情報を見つけてたどりついてもらう必要があります。
広告を出す、検索エンジンで上位表示されるようにコンテンツをつくり込むなど、そのために何をすべきかも一つ一つブレイクダウンしていく必要があります。
「誰に」「何を」「どのように」伝えるべきかを具体的に検討する
ウェブサイトの役割や目的が決まった後は「誰に」「何を」「どのように」メッセージを伝え、どのようなサイトにするべきなのかを検討し、定義をしていきます。
「誰に」=ターゲット
ウェブサイトに来るべき、来てほしいターゲットを設定します。
ビジネスとして狙っていくターゲットとウェブサイトにとってのターゲットは必ずしも同じになるわけではありません。
サイトにはどのような人に集まってほしいのかという観点で検討します。
「何を」=伝えるべきこと
ウェブサイトを通して「何を」伝えないければいけないかを検討します。
私たちがお手伝いをさせていただく企業の中には「何を」のところを定義する前に、どのような事業をやっていて、どのようなお客様にどのような価値を提供しているのかという「事業を定義する」ところからお手伝いさせていただくケースもあります。
クライアント企業が行う事業を定義しなおすことで、事業やサービスの何が価値なのかを明確にすることができます。
また「何を」伝えるかを検討するときは、他社との違い・独自化できるものは何かという視点で探します。
それこそが比較検討の際に選ばれるポイントとなるからです。
私たちは、他社との違いや、その企業「らしさ」がとても重要であると考えています。
「どのように」伝えるのか
「何を」伝えるのかが決まれば、「どのように」伝えるのかを明確にしたコンセプトをつくります。
コンセプトはウェブサイトだけに当てはまるものではなく、マーケティング活動や、ブランディングにも関わる一貫したものになります。
スケジュール策定
スケジュールはプロジェクトの初期段階で策定します。
サイトの公開日はビジネス要件などの様々な要因が重なる中で決まることが多く、タイトなスケジュールになってしまうこともあります。
そのような場合でもフェーズ分けをするなど、要望が満たせるような実現方法を考え、スケジュールを策定します。
外部サービスの導入検討など
サイトの目的に応じて、アクセス解析ツールなど、外部サービス導入の必要がある場合はどのようなサービスを導入するか検討をします。
お客様の目線で考える
今回はウェブサイト制作の進め方の戦略策定・企画フェーズでは、どのようにプロジェクトがスタートするのかをお伝えしました。
ビジネスにとって機能するサイトをつくるためには、この戦略策定・企画フェーズが重要です。
サイトの目的を設定することやメッセージを検討する際に、大切なのはお客様の視点で考えることです。
お客様の目線で考えることは、全てのフェーズにおいて私たちは大切にしています。
次回は「設計・仕様策定」での進め方についてお伝えいたします。
設計・仕様策定フェーズは、作業全体のスコープをもとに、何がどれだけ必要になるのかを定め、制作を進めるための各種設計を行うフェーズです。次の制作フェーズの進行に関わる重要な要素を策定していきます。
設計・仕様策定フェーズの進め方。上手くいくかどうかはこれ次第!
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投稿者プロフィール


- プロデュースチーム ディレクター。早稲田大学人間科学部卒業。大阪出身。